猛牛のささやきBACK NUMBER
「糸井さんの穴は自分が埋めます」
オリ・武田健吾が突然のビッグマウス!
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/01/31 11:30
甲子園に出場しなかった高校生の野手がドラフト4位で指名されるのは、大きな期待の表れである。その期待に、今年こそ応えるタイミングなのだ。
福良監督「持っているものをどれだけ出せるかやね」
今年の春季キャンプは2014年以来の一軍スタートとなった。
とはいえ、メキシコでの活躍を直に目にしていない福良淳一監督は、お手並み拝見、といった様子だ。
「持っているものはあるけれど、どれだけそれを出せるかやね。去年も上に来た時にはなかなか力を出せなかったというのがあるから。だから、このキャンプでどれだけアピールできるか。一軍スタート、ファームスタートと言っても、入れ替えは積極的にやるつもりだから、そこは競争です。一軍スタートだからって安心してもらったら困る」と指揮官は発破をかける。
糸井の移籍で空いた枠を、チーム全体が注視している。
今オフのオリックスは、糸井が抜け、陽岱鋼の獲得にも失敗したが、長い目で見ればチームにとって決してマイナスではないように思う。今後、「むしろよかった」と言えるかどうかは、今年レギュラー獲りを狙う若手外野手の活躍次第だ。
守護神の平野佳寿が、「今までは糸井さんがいるということで、諦めていた選手もいたと思うんですよね。そんな中で1枠空いて、この枠がすごい活性化を生むと思う。それは大事なこと。そこで、鈴木(誠也)君みたいな選手がポッと出てきたら、そういう(昨年の広島のような)シーズンになると思う。若手の子たちがその枠を争ってやってくれれば、チームが上がっていける要素は十分あると思います」と語ったように、外野は、他のポジションの選手も注目するホットスポットだ。
今年だけでなく、数年後のチームの命運も握るであろう外野のレギュラー争い。2月1日、そのゴングが鳴る。