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大学枠撤廃から3日後の大激戦。
ラグビー日本選手権、帝京の意地。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKyodo News

posted2017/01/23 17:00

大学枠撤廃から3日後の大激戦。ラグビー日本選手権、帝京の意地。<Number Web> photograph by Kyodo News

帝京大が見せた奮闘ぶりは、今季からサントリーを率いる沢木監督がハーフタイムで選手を鼓舞せざるを得ないほどだった。

「学生を日本選手権に残さなきゃ」という使命感。

「きょうも、最後は50点を取られてしまったし」

 岩出監督は唇をかんだ。

「最後にもう1本トライを取って『学生を日本選手権に残さなきゃ』と思ってもらいたかった。それが使命だと思ったんですが」

 同点で折り返した後半は、サントリーがリズムを取り戻した。FWがセットプレーで重圧をかけ、後半2分にラインアウトモールからHO中村駿太がトライ。帝京大がPGを返した後の12分には、スクラムを徹底して押し込みペナルティトライを獲得。15分にはトライ王・中鶴が右中間に躍ると、26分には松島のトライで49-24と25点差をつけた。ラグビーでは、3トライ3ゴールで追いつけない22点差がセーフティーリードの目安とされる。

TL王者相手でも、4トライは取れると思っていた。

 勝負は決したか――。だが帝京大はここで踏ん張った。27分、右サイドを突破した尾崎からパスを受けた吉田が2トライ目。20点差に差を詰めた。そして試合はラスト10分の攻防へ。

「正直言うと、4トライは取れると思ってたんです」

 試合後に岩出監督は明かした。

「だから、5本目を取って終わりたかった」

 昨季の日本選手権は、トップリーグと大学選手権の優勝チーム同士の一発勝負で行われた。その試合で、パナソニックと対戦した帝京大は15-49で敗れている。それから1年。帝京大は進歩を証明する必要があった。ラスト10分の時点で、失点は並んでいたが、得点は上回っていた。

 帝京大は挑み続けた。後半35分、帝京大はSO松田のキックをWTB竹山が追いかけたことを契機に、サントリーゴール前でスクラムを得る。だがサントリーはこのスクラムで重圧をかけ、帝京大は耐えきれずスクラムが崩れる。その後も速攻とカウンターで活路を見出したが、サントリーの守備は崩せなかった。

【次ページ】 今季のサントリーから最も得点を奪ったチームに。

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