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<シックス・ネーションズ2017観戦ガイド>
王者イングランドの連覇を阻むのは?

posted2017/01/26 11:00

 
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昨年は下馬評を覆し、イングランドが全勝優勝を達成。連勝街道をひた走る盤石の王者の連覇はなるか。海外ラグビーのエキスパートが、データを元に大会を展望する。

 世界最古、130年以上の歴史を誇るラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」。昨年は、2015年W杯で開催国として史上初となる予選プール敗退という屈辱にまみれたイングランドが、就任間もないエディー・ジョーンズに導かれ、グランドスラム(全勝優勝)という快挙を達成した。

 昨年の大会データを紐解くと、特徴的な傾向が見て取れる。大会全71トライのうち、44%がラインアウトから生まれたものだった。アンストラクチャー(攻守ともに崩れた状況)からのトライは、ターンオーバーが7%、キックが11%と計18%にとどまる。

 一方、昨年8~10月に行なわれたザ・ラグビーチャンピオンシップ(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの4カ国が参加)の全トライ内訳は、ラインアウトが33%で、ターンオーバー20%とキック21%の計41%となっており、北半球と南半球とで試合の肝となるシーンが異なるのだ。

FWの力を効率的に発揮させる戦略の重要性。

 シンプルに言えば、シックス・ネーションズで勝つには、FWのパフォーマンスが大きな比重を占めるということだ。ラインアウトとスクラムのセットピース、ブレイクダウン(ボール争奪戦)などのFW戦で負けての勝利などあり得ない。

 これは世界全体を眺めての現代ラグビーに通じることだが、強いFWの存在は勝利するための“最低条件”となっている。勝利のために次に何が必要かというと、その強いFWの力を効率よく発揮させるためのチーム戦略だ。その点で、2016年に13戦全勝を遂げたイングランドは非常に優れている。昨年のシックス・ネーションズでは1試合平均9.4回のターンオーバーを記録。これは他チームを大きく上回っており、ターンオーバーから直接奪ったトライ数も他国を圧倒している。キックを使いながら大きなFWを前に出し、攻撃的なディフェンスでボールを奪っては電光石火でトライをもぎ取る。自分たちの強みを理解し、それを最大限生かす明確なゲームビジョンを持つチームはやはり強い。

【次ページ】 アイルランドの「七色のモール」は必見。

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