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陸上トップ選手から7人制ラグビーへ。
“ママさん選手”寺田明日香が代表に!
posted2017/01/19 08:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Shizuka Minami
「ママ、きょうも練習?」
寺田明日香が練習に向かう日には、娘の果緒ちゃんはそう声をかける。
練習の意味も、ママが何をしているかもきっと分かっていない。寺田が「ママ、今日も練習に行ってくるね」と話しかけた言葉を聞いているうちに、自然と覚えたのだろう。
お留守番をさせること、一緒にいられないことを心苦しく思いながらも、「そうだよ、頑張ってくるね。行ってきます」と返答し、ぐっとこらえてドアを閉めた瞬間、ママから戦う選手の表情に変わる。
100mを11秒台の記録を持つ驚異の女子選手!
昨年12月23日に行われた女子ラグビー7人制「サクラセブンズ」のトライアウトに寺田の姿はあった。
13人が参加して行われたトライアウトでは40m走や立ち幅跳びなどの体力テストが行われ、寺田は持ち前の身体能力を発揮。
「できることはすべて出し切りました。東京五輪までの4年間を考えると、できるだけ早く日本代表に入りたいですね。経験も積ませてもらえるし、監督陣にアピールできるチャンスももらえます。
選ばれたら、存在感を出して、いい仕事をできるように頑張ります」
と抱負を話していたが、年明けの1月9日に日本ラグビーフットボール協会からトライアウト合格の通知を受け取り、晴れて日本代表の仲間入りを果たした。
寺田の最大の武器は、100mを11秒71で走るスピード。
100mで12秒を切る選手は世界的にも数少ない存在だ。寺田にボールを渡したら絶対にトライまで持って行ってくれる――仲間にそう信じてもらえる選手になるのが目標だ。