ニッポン野球音頭BACK NUMBER
21歳の野球選手が僧侶的な食生活。
DeNA関根大気に漂う知性、向上心。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/01/17 07:00
東邦高校時代には通算33本塁打を放つなど、打力にも高いポテンシャルを持つ関根。オープン戦で活躍すれば、ラミレス監督の評価もおのずと上がるはずだ。
「今年奪い取らないと、ぼくは終わってしまう」
目の前には、外野手のレギュラーポジションが埋まっているという現実がある。筒香嘉智と梶谷というチームの柱が両翼を占め、センターには昨季チャンスをものにした桑原将志がいる。1月の段階で、ラミレス監督は「桑原も基本的にはレギュラーだ」と発言しており、3つの椅子は“満席”状態だ。
関根は言う。
「2月後半からのオープン戦で結果を残すことがすべて。もしぼくの成績が3人を上回ったら、使ってもらえないことはない、使ってもらえると思うんです。なので、その期間で結果を残すためにいまできることは何か、それを常に考えながら過ごしています」
そして続けた言葉には、悲壮な決意がはっきりと表れていた。
「またクワさんに1年やられてしまったら、ぼく(のレギュラー獲得)は数年先までないと思っているので。奪うなら2017年しかない。そこで奪い取らないと、ぼくは終わってしまう。そう思っています」
若く、知的で、華があり、きっかけひとつで大きくブレイクするだけの要素をもちあわせている選手だ。
立ちはだかるレギュラーの壁を越えられるか、それとも跳ね返されるのか。関根が「スタートライン」と語っていた2月1日は、気がつけばもう約2週間後に迫っている。