加藤陽一の名言
日本が強くなるにはプロ化しか方法がないと思った。でも、組織が動く気配が全くないので、自分で行動するしかなかったんです。
加藤陽一(バレーボール)
Vリーグの東レでプレーし、全日本では主将も務めた加藤は、2002年にセリエAのトップチーム「トレビソ」のトライアウトを受けて、移籍を果たす。年俸は200万円だったが、「僕というより、日本バレーの査定だと思っています」と受け入れた。「全日本のメンバーはVリーグ所属チームから選出される」という規定があったため、セリエAに移籍するなら全日本に選出しないと公言する関係者もいたという。そんなリスクを背負ってまで海外を目指したのは、シドニー五輪の最終切符を懸けて戦ったアルゼンチンの選手たちの覚悟を間近で見たからだという。「アルゼンチンの選手は、バレーに人生や生活を懸けているためネットから伝わってくるエネルギーが違うし、細胞の隅々までバレーの血が駆け巡っていると感じた。一方、日本は、選手を引退してもサラリーマンの道が待っている。バレーに対する覚悟がこれだけ違うと、多少の技の差なんて凌駕されてしまう」。この現実に気づいたからこそ、鎖国状態の日本を飛び出したのだ。
Number582号(2003/08/07)
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