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箱根で早稲田は青学を倒せるのか。
実は選手層の厚さでは最強クラス!
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph byKyodo News
posted2016/12/31 11:30
11月の全日本大学駅伝では、8区で早大の安井雄一を青学の一色恭志が捉え、青学が初優勝を果たした。
ベストタイムでは青山学院がやはりダントツ。
結果は、
1.青山学院大 28分41秒
2.山梨学院大 28分55秒
3.日体大 28分56秒
4.東海大 29分00秒
5.早稲田大 29分01秒
6.東洋大 29分01秒
7.順天堂大 29分04秒
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11.駒澤大 29分12秒
この分析では、やはり青山学院が1校だけ抜きん出ている。ランキング4位の東海大から7位の順天堂大までの差はわずかだ。前回3位の駒澤が11位に沈んでいるのが気になるところか。早稲田は5位なので、優勝するにはほど遠い。
各チームの8~10番手のタイムを比べてみると……。
次に気になったのが選手層の厚さだ。
総距離217.1キロ10区間を襷でつなぐ箱根駅伝は、大学3大駅伝の出雲駅伝(総距離45.1キロ)、全日本大学駅伝(総距離106.8キロ)とは比べ物にならないくらい選手層の厚さが勝敗を分ける。
特に、1人あたりの距離が20キロを上回る箱根駅伝では、トラック競技のスピードだけでなく、20キロを走りきる持久力や本番での安定感が要求される。
選手層を測る視点は、エースクラスの選手の記録ではなく下位の選手たちの走力レベルだ。チーム全体の平均タイムは、エースの記録が単純に押し上げることがあるので、あくまで下位の層の厚さを分析する。下位の選手たちが配置されるいわゆる「つなぎ」区間の出来は、距離の長い箱根では重要なファクターとなるのだ。
そこで、現時点で発表されているハーフマラソンのベストタイムを、エントリー16名中のチーム内ランキング8~10位(本番で走るであろう下位の選手たち)の平均タイムで比較してみる。
(ハーフマラソンの記録を持たない選手は、20キロロードレースのタイムから推測することにする)