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「松坂世代」生き残りは18人――。
西武・渡辺直人、衰えぬ闘争心。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/12/30 11:00
西武移籍4年目の今季は、8月18日のソフトバンク戦で通算1000試合出場を達成した。
投手に声をかけるタイミングは試合を重ねて覚える。
「“ここをしのげばなんとかなる”“味方のピッチャーは今、苦しんでいるから間を取ってあげたほうがいいな”というタイミングは、試合を重ねることで覚えていくもの。まずは、そういう見方をする習慣をつけることが大事だと思います。
その習慣をつけるために、浅村は自分を奮い立たせて、がんばって動いているんだなぁと、シーズン中は頼もしく思いながら見ていました。そうやって態度に出るようになったから、みんなが認めたから来シーズン、キャプテンに選ばれたんじゃないでしょうか?」
ほほえみながら、まるで自分のことのように嬉しそうだった。
37歳でも野球をやらせてもらえることに感謝したい。
こうしてチームのために働きかける機会が多いベテランだが、もちろん、本人は裏方だけに徹するつもりはない。2016年シーズンは故障の影響もあり70試合の出場にとどまったものの、契約更改の場で語ったようにレギュラー取りが目下の目標である。
内野であればどこでも守れる渡辺だが、特にショートのポジションは激戦だ。呉念庭や永江恭平、鬼崎裕司など若手からベテランまで、多くの選手がひとつのポジションを巡って闘いを繰り広げている。渡辺がその一角に食い込む可能性は高い。
「昨シーズンは途中、ケガをしてしまいましたけど、それは思い切りプレーしての結果なので後悔はしていません。37歳でも、また来年、野球をやらせてもらえることになった。うれしいし、ありがたいですね。やりたくてもできない人が多い中、プレーできることにまずは感謝したい。だからこそ、目いっぱい、野球をやるのが僕の務めです」