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復帰間近の武藤嘉紀、高すぎる勝算。
岡崎らマインツ歴代FWと比べても……。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/12/21 11:00
ファンイベントで明るい笑顔を見せる武藤嘉紀。ケガによって中断されてはいるが、武藤嘉紀は成功物語の中心を歩んでいるのだ。
岡崎ら歴代のFWと比べても抜きん出たある数字。
肉離れのような筋肉系の怪我であれば、日頃のケアや食生活に問題があるのではないかという疑念が浮かぶ余地もある。しかし、武藤の怪我はいずれも、激しいコンタクトのすえに負ったものだった。
衝突を怖れずにボールにトライするスタイルが、あだとなっているのではないか。そう問いかけても、武藤はそれを否定した。
「でも、ブンデスでは、それが出来なければ点は獲れない。そこのスタイルは別に変えるつもりはないから」
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先日、キッカー誌がマインツの歴代のストライカーを、様々な項目で比較していた。対象となるのは現在チームに所属するコルドバ、武藤に加えて、岡崎慎司(現レスター)、シャライ(現ホッフェンハイム)という歴代の4人のエースだった。
・1ゴールを決めるまでに要する時間 171分。
・1アシスト記録するまでに要する時間 385分。
この2つの項目で、武藤が4人のなかでトップの成績だ。では、今シーズンは?
武藤はここまで、リーグ戦で47分に1ゴールという驚異的なペースを残している。アグレッシブさがあだになるような出来事ばかりが続いた1年だったが、その陰で、今後に希望を抱かせるような数字は残していた。
怪我をしても、ドイツ語の勉強はやめないし、自らが大切にしていることは決して曲げない。そんな武藤の姿勢が、2017年の躍進をもたらしても、何ら驚くことはないのである。