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復帰間近の武藤嘉紀、高すぎる勝算。
岡崎らマインツ歴代FWと比べても……。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2016/12/21 11:00

復帰間近の武藤嘉紀、高すぎる勝算。岡崎らマインツ歴代FWと比べても……。<Number Web> photograph by AFLO

ファンイベントで明るい笑顔を見せる武藤嘉紀。ケガによって中断されてはいるが、武藤嘉紀は成功物語の中心を歩んでいるのだ。

「誰よりも努力してる自信はあるけど……」

 この1年について、武藤はこんな風に振り返る。

「今年は……良い時もあれば、悪いときもある、ということが本当によくわかった1年かな」

「そんな1年を漢字一文字で例えるなら?」と問うと、スラっと答えが出てきた。

「『耐』ですかね。本当に、上手くいかないことばっかりだったから。こんな年がもう1度自分のサッカー人生で来たらキツい……。それくらいキツかった。これだけ集中してやっていたのに、それが結果に結びつかないのがもどかしいどころか、怪我につながっちゃうわけで。誰よりも努力している自信はあるけど、それが上手くつながらない。これもサッカーなんだなと思うけど。きつかったなぁと、早くこの年は終わって欲しいなと思う部分もあって」

 そして、いたずらっぽく笑って、こう付け加えた。

「厄年だったのかな(笑)」

 ただ武藤は、そんな1年についてもポジティブにとらえられることがあると付け加えるのを忘れなかった。

「(香川)真司くんもそうだったし、キヨ君(清武弘嗣)もそういう(ケガに苦しむ)時期はあった。早い時期に経験で来て良かった、と思うしかない。それは間違いないから」

原口の活躍、久保の抜擢は武藤に追い風?

 9月30日に負傷した時点で、医師の最初の診断が復帰まで6週間程というものだった。その時頭に浮かんだのは、11月15日のサウジアラビアとの代表戦までにピッチに立つこと。結局それがかなわなかったことにもどかしさはあったが、日本代表の活動を外からながめながら、感じたこともあった。

「例えば、(原口)元気くんはしっかりと結果を出していて、すごいこと。でも、ああいうスタイルの選手がしっかりと評価され、活躍してくれたのは自分にとってもすごくポジティブ。サウジアラビア戦でも右サイドで久保(裕也)がスタメンで出たし。ああいうのを見ると、怪我せずにしっかりとやっていれば、チャンスがあったんじゃないか、と。だから、頑張らないと!」

【次ページ】 岡崎ら歴代のFWと比べても抜きん出たある数字。

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