サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「大迫は完璧だった」と語った岡崎。
それでも“代表の武器”との自負を。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/11/20 08:00
大一番で投入されたのは後半アディショナルタイム。それでも岡崎はチームの勝利のため、いつものように粉骨砕身した。
「代表の武器として生きる自分」を諦めることはない。
代表と所属クラブとでは、忠誠心や思い入れの質に違いがあって当然だ。出場100試合を越えるキャリアがあるから、クラブと同じようには考えられない。岡崎の中でも複雑に感情がぶつかり合っているだろう。
新しい選手が活躍することでチーム力が向上し、チームの武器も増える。それを素直に喜ぶ気持ちに偽りはないだろう。しかし、「代表の武器として生きる自分」を諦めることはない。しかし、それはただまっすぐに「試合に出たい」「ライバルに負けたくない」という気持ちを滾らせた20代前半とは違う気持ちだろう。
その気持ちをどう表現するのか? ベテランらしい落ち着いた振る舞いでチームに安定感をもたらす選手もいる。ガツガツと熱く、年甲斐もないほどガムシャラな選手もいる。
岡崎はどういうベテラン選手になるのかは、わからない。ただひとつ思うことがある。
「ダイビングヘッド」
追い込まれ、余裕のない状況で発揮される岡崎を象徴するプレー。そのスピリットがこれからの岡崎を支えていくに違いないだろう。