錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
ラリーで圧倒し、サーブに屈した激戦。
錦織圭が世界1位を追い詰めた200分。
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byHiromasa Mano
posted2016/11/17 17:10
敗れたとはいえ、錦織の高度な技術とアグレッシブなプレーは、世界のメディアから称賛されていた。
次は同年代のライバルとなるチリッチだが……。
「ほとんどがラリーになって、特に第1セットのラリーはほとんど彼(錦織)が支配していた。ボールをあっちこっちに散らしてきた。多分、誰よりも巧くね」とマレーは苦戦の原因を語り、錦織は「大事なポイントを取れなかった。全体的にはいいプレーができていたけど、大事なところでの集中力、駆け引きが彼のほうが上だと思う」と敗因を語った。
この大会は、負けても終わりではない。1日休んでラウンドロビン最後の一戦に臨むことになるのだ。
相手は、同年代のライバルと位置づけられることの多いマリン・チリッチ。
対マレー、対ワウリンカとすでに2敗しているチリッチのほうが、気持ちの切り替えは難しい。錦織はこのチリッチに勝ちさえすれば、マレーとワウリンカの結果がどうであれ、1番か2番で予選ラウンドを通過、準決勝に進むことができる。
チリッチとはバーゼルの決勝で敗れて以来だが、2年ぶりの準決勝進出とリベンジをかけた一戦。もう一方のグループではすでにノバク・ジョコビッチが準決勝進出を決めている。
楽しみはまだまだ続きそうだ。