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大迫と岡崎、浅野との共存はあるか?
ハリルJの最前線争い、福西が斬る! 

text by

福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/11/14 17:00

大迫と岡崎、浅野との共存はあるか?ハリルJの最前線争い、福西が斬る!<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

オマーン戦後のコメントでは、「今日は内容よりも得点を取ることしか考えていなかったです」と言い切った大迫。

岡崎、浅野との2トップは……キックオフ時にはない?

 その大迫は後半16分に、岡崎と代わりました。試合を見た方の中には“岡崎や浅野と組み合わせたり、2トップで使うことはないのだろうか”と感じたかもしれません。特に大迫と岡崎はともに気を使えるタイプだし、所属しているケルン、レスターはともに2トップですからね。

 ただハリルホジッチ監督の中には、今のところ2トップでスタートする考えはないのかな、と個人的には見ています。清武に代わって久保が入った時に岡崎と2トップ気味になりましたが、現状ではオプションというところでしょうか。

 理由は、2トップに比べて2列目を3人置いた時に、中盤でのコンビネーションを作る方がチャンスの数自体が増えるからだと思います。2点目のシーンは右サイドから清武が本田とのパス交換で中央に入り込んで、大迫にスルーパスを送ったことで生まれました。ピッチを幅広く動き回る清武を、サイドに置くよりもトップ下で使いたいと感じているのだと思います。もちろん清武以外にも香川や本田もいますし、オマーン戦ではボランチでの出場だった小林祐もトップ下ができる。

1トップの選択肢を多く残すことで相手に脅威を。

 1トップの選択肢としても万能型の大迫、献身的にボールを追いつつ、味方のクロスやラストパスに反応してくれる岡崎、カウンター用に俊足の浅野といろいろなケースを用意しておく方が、相手にとって脅威を与えられる。ハリルホジッチ監督はそのように考えているのだと思います。

 言うまでもなく、サウジアラビア戦は勝利が求められる一戦です。ここで首位との勝点差「3」を詰めなければ、W杯出場権の2位以内の確保がかなり難しくなるし、プレーオフ圏内の3位争いへと巻き込まれてしまう。勝つためには当然、ゴールが必要。だからこそ2列目、そして好調ぶりを見せた大迫をはじめとして岡崎、浅野や久保といった最前線の選手をどのように組み合わせ、状況を見て起用していくのか。彼らのプレーぶりとともに、ハリルホジッチ監督の判断にも注目したいと思います。

(構成・茂野聡士)

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