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イマドキの明るい女子プロレスが話題!
紫雷イオ×美闘陽子と“赤いベルト”。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2016/10/26 11:00
“赤いベルト”6度目の防衛を果たした紫雷。昨年ワンダー・オブ・スターダム王座を獲得した時には、団体の5大王座を全制覇した紫雷なのだが……。
女子プロレスの昔から現在までの全てを知る小川代表。
スターダムのプロレスは明るい。
このリングにダンプ松本、デビル雅美、ブル中野、北斗晶のようにむちゃくちゃ暴れん坊の女たちはいない。大江戸隊というのもいるが、それでもやっぱり明るいのだ。
スターダムのコンセプトは、動けるビジュアル系女子の明るいプロレス。
スターダム代表のロッシー小川さんは、顔を合わせるたびに「どうにか生きていますよ」といつも笑顔を見せてくれる。先日出会った時も、日焼けしたその顔はまんざらでもない様子で、運営の調子が良いのかイキイキとしていた。
小川代表は、まだ女子プロレスが人気が無かった時代から、東京ドーム興行までのぼりつめて一世を風靡した全女時代まで、女子プロレス業界のいい時も悪い時も知っている人物だ。長与と飛鳥のクラッシュギャルズがブレークしたときはマネジャーのような役割だった。
自ら旗揚げした団体で失敗も多く経験してきた。
そして、たどり着いたのが、今の形のスターダムということになる。
だから……スターダムのプロレスは明るくなくてはいけない。場内アナウンスだって、どこかのアニメか、子供向けのウキウキするようなイベントでも始まる感じで、プロレスっぽい感じがまったくない。
「遺恨」なんていう、男のプロレス界ではよく聞く言葉も、もうどこかに置いてきたのかもしれない。
紫雷、宝城、岩谷というスターダム三人娘。
紫雷という空飛ぶ女王がいる。
28歳の宝城カイリというガッツのある海賊キャラがいる。彼女の喋りはウィットが効いていて楽しい。
23歳の岩谷麻優という、高度なドラゴンスープレックスなどのワザを繰り出すハイパーテクニシャンがいる。
これがスターダムの三人娘だ。
だが、情勢は少し変わってきた。