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原口元気の1対1勝率は65%以上!?
身体と精神の好循環が止まらない。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2016/10/10 11:00

原口元気の1対1勝率は65%以上!?身体と精神の好循環が止まらない。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドリブルで、クロスで、守備で、そしてゴールで、原口元気はこの日間違いなく誰よりも輝いていた。

ドイツで残している驚異的な65.2%という数字。

 原口の今の活躍の裏に、ハイレベルで安定したコンディションがあることは明らかだ。

 ヘルタ・ベルリンでは、ここまでリーグ戦6試合にフル出場を続けている。そして、パフォーマンスも驚異的だ。

 1試合平均約11キロの走行距離も、平均74.7回のランも、26.6回のスプリントも、全てチームでトップの数字だ。代表戦直前のハンブルガーSV戦では、「ツバイカンプフ」と言われる「1対1の局面での勝利率」が65.2%を記録した。攻撃の選手が50%を超えることは珍しく、原口の数字は異例中の異例だ。チームの攻撃の選手でも、もちろんトップだ。

「ツバイカンプフ」はドイツ語だが、英語に直せば「Duel」となる。ハリルホジッチ監督がいつも口にし、選手に求めるものだ。

 原口は何年にもわたって、綿密に計算されたトレーニングを通じてフィジカル面の強化に取り組んで来た。サッカーにおけるフィジカルの重要性を理解したからこその行動だ。

 ただ、原口がイラク戦のあとに強調したのは、ハートだった。

「やはり、気持ちが一番大事だと思います。気持ちで上回ることによって、すべてが上手く、好循環になるということは、ブンデスでやっていても、代表でやっていても、そう思うから」

UAE戦翌日、練習後にピッチに倒れこんだ真相。

 原口をトップ下とボランチの中間のようなポジションで起用していたハリルホジッチ監督が、左FWでの起用を考え始めたのは、ホームでUAEに敗れてからだった。

 そのUAEとのホームゲームに敗れた翌日、途中出場だった原口は、試合に出なかった選手と同じメニューをこなした。練習が終わると、原口はピッチに倒れ込んだ。それは何も、炎天下で走り回っていたから、というだけではない。体力的にも、そしてメンタル的にも、その時点で出せるものを出し切ったからだ。

 同じようにハードワークを身上とする武藤嘉紀が原口をねぎらっていたのも、武藤の心にも響くものがあったのだろう。

 後に、原口はあの日の行動について、こう説明している。

「まず日本が負けたのが悔しかった。それにうちにはあれだけの良い選手がいるわけだから、気持ちが強ければUAEにだって勝てるはずだから」

【次ページ】 フィジカルとメンタルの良いサイクルが止まらない。

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