濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
名古屋を格闘メインストリームに。
Krushが変える「地方興行」の概念。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2016/08/28 08:00
名古屋大会を大成功に導いた佐藤嘉洋実行委員長(右)は武尊とともに充実の表情を見せていた。
地方でも“東京で通用するカード”で勝負していく。
「今回、〈名古屋vs.東京〉という形でのマッチメイクをやめたのは、それだと“お祭り”にしかならない可能性があるからなんです」
そう佐藤氏は言う。地方の選手が東京に対抗心を持つのは悪いことではない。しかし年に一度の“勝った負けた”がすべてでもないということだ。
「お祭りが盛り上がるだけじゃなく、地方でも“東京で通用するカード”で勝負していくことが大事だと思います。そうすれば年に3回、4回という定期開催が見えてくるし、それが選手のレベルアップにつながってくる。僕としては、有望な選手がどんどん東京のジムに行ってしまうという流れも変えたいですし。やっぱり名古屋の選手には名古屋で強くなってほしいんですよね」
東京と同じことをやる、という大会コンセプトには、同時に地方活性化という意味もあったのだ。Krush名古屋大会は単なる地方興行ではなく、しかし地方だからこそ必要な興行だった。