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モーリス敗戦で中距離はさらに混戦。
秋のGI戦線は全ジャンルで層が厚い! 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/08/24 08:00

モーリス敗戦で中距離はさらに混戦。秋のGI戦線は全ジャンルで層が厚い!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

初重賞がモーリス打倒となったネオリアリズム。逃げ馬というわけでもないだけに、直線の長い東京でどんなレースを見せるか楽しみだ。

モーリスの体型は確かにマイラー然としているが……。

 モーリスの、以前より太くなった首差しと盛り上がった胸前の筋肉は、いかにもマイラーのそれという感じがする。が、2000m以上でも馬場状態やレース展開、コースなどが自分向きになれば、もっと高いパフォーマンスを発揮するのでは――と思わせる走りをしたことは確かだ。

 マイルより2000mのほうがいいとは言えないが、2000mでも充分やれる。今後に向けて、さらなる可能性を示した2着だった、と見ていいのではないか。

 吉田和美オーナーの夫でノーザンファーム代表の吉田勝己氏によると、次走はライアン・ムーアを鞍上に迎えて天皇賞・秋に直行するとのこと。そして、年末の香港カップが香港マイルがラストランとなる。異種格闘技的な盛り上がりを望むファンのひとりとしては、夢のふくらむ展開になってきた。

ネオリアリズムは天皇賞に直行、その他の強豪は?

 一方ネオリアリズムは、生産者の吉田勝己ノーザンファーム代表によると、天皇賞・秋に直行するとのこと。

 フランスのイスパーン賞を圧勝してレーティング世界一になったエイシンヒカリ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・坂口正則厩舎)も天皇賞・秋に直行する予定だという。

 さらに、昨年の覇者ラブリーデイ(牡6歳、父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)、宝塚記念を勝ったマリアライト(牝5歳、父ディープインパクト、美浦・久保田貴士厩舎)、エプソムカップで強さを再証明したルージュバック(牝4歳、父マンハッタンカフェ、美浦・大竹正博厩舎)といった女傑たち、そして、リオンディーズ(牡3歳、父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)ら勢いのある3歳馬が揃えば、今年の天皇賞・秋は、相当ハイレベルな戦いが期待できる。

 3歳といえば、ダービー馬マカヒキ(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)が現地時間の8月20日の夕刻、無事フランス・シャンティーの小林智厩舎に到着。9月11日のニエル賞(シャンティー芝2400m、3歳GII)をステップに、10月2日の凱旋門賞(シャンティー芝2400m、3歳以上GI)に出走する。今年の凱旋門賞から日本でも馬券が買えるようになるという記念すべき一戦が、競馬史に刻まれるレースになるか、注目必至だ。

【次ページ】 海外も、クラシックも、ダートも激戦の予感。

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