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開幕10日前に功労者の監督を解任!?
ビジャレアルで、一体何が起きたか。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byAFLO
posted2016/08/20 08:00
自身もスペインの年代別代表に名前を連ねるなど、名選手だったマルセリーノ・トラル。監督としての能力は確かなものだ。
公表した手紙には、クラブへの感謝が綴られていた。
解任の翌日にあたる11日、ビジャレアルはフラン・エスクリバを後任とすることを発表した。
監督1年目でエルチェを1部に昇格させ、その後2シーズン残留を成し遂げた腕利きである。準備期間の短さは残念だが、昨季のヘタフェより戦力レベルの高いビジャレアルをエスクリバがどんなチームに仕立て上げるのか楽しみである。
一方で12日、マルセリーノは一緒に退任したアシスタントコーチとフィジカルトレーナーと連名でロイグ会長や役員、チームの面々、クラブ職員、そしてファンに感謝する手紙を公表した。その最後の一文はこうだ。
「我々にとってエル・マドリガルはいつまでも特別な場所であり続けるだろう」
厳しい管理で選手を精神的に疲弊させてしまうため、どのクラブでも長続きしないという欠点はあるが(ビジャレアルでの3年半は過去最長)、監督マルセリーノの手腕は高く評価されている。現に前スペイン代表監督デルボスケの後任候補に挙げられていた。
ベンチから立ち上がって選手に指示を飛ばす彼の姿を再び目にする日はそれほど遠くはなかろう。