本当の競泳大国になるため、東京では金メダルを。

　所属チームを超えて、3人で切磋琢磨する中で目標と意志はまとまった。3人と1人が思いを共有し、最後は4人一丸となった。

　結束が生んだ、歴史的な銅メダルだった。

　松田はふと口にした。

「時間をかけて4人でつくってきた。みんなでとった。すごい思い出に残るレースになりました」

　そして「これが最後のオリンピックでのレース」と、32歳になる松田は話した。

「自由形だから、バタフライだから、平泳ぎだから、というのはないと思うけれど、特に男子は自由形でメダルを獲れていなかった。いよいよこれで本当に競泳大国と言えると思いますし、3人は、東京での金メダルを目指してほしい」

　競技人生の集大成のレースを銅メダルで締めくくったベテランは、若い3人に託して笑顔を見せた。