バックスクリーンを越えてスコアボードに当たる一撃。

　慶應義塾高のエース・森田晃介（2年・175cm73kg・右投右打）の外のスライダーが胸の高さに落ちてきたそこを叩いた。高い角度で上がった打球は放物線になってバックスクリーンに向かって飛んだ。

　よくある＜こすった＞打球じゃない。高く上がって、ぜんぜん落ちてこない。

　どんどん向こうへ飛んでいって、バックスクリーンを越えて、スコアボードに当たってようやく外野グラウンドに落ちてきた。

　スコアボードの右と左に、上から下へ両校の＜9人＞の名前が並んで、その左のほう、打たれた9番「1　森田」の名前のちょっと上だった。近くで見ていた人が、「万波（中正・横浜高）より飛んだ！」と興奮して跳んではねている。

　やはり叩いていた。赤尾のバットは、抜けた感じのスライダーを存分に叩けていて、やはりフィニッシュのグリップの位置は、彼の左肩の高さでおさまっていた。

すでに甲子園を経験した2年生スラッガーたち。

　清宮世代は「スラッガー世代」。

　冒頭でそんなぶち上げ方をしたので、ならば、その＜十指＞とはどこの誰なのか？　も記しておかねば失礼になろう。

　まずは、岡田悠希（龍谷大平安・外野手）、村上宗隆（九州学院・捕手）に宮里豊汰（常総学院・内野手）、太田英毅（智弁学園・内野手）。この4人は甲子園でもすでにお披露目済みだ。

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