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U-16代表を鍛える“森山イズム”。
世界で戦うための育成法とは? 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2016/06/21 17:30

U-16代表を鍛える“森山イズム”。世界で戦うための育成法とは?<Number Web> photograph by Takahito Ando

インターナショナルドリームカップに臨むU-16日本代表。後列の右から2番目が中村敬斗、前列1番右が久保建英。

「自分が今までいかに妥協をしていたのかが分かった」

「森山監督になって、自分が今までいかに妥協をしていたのかが分かった。あと一歩、あと半歩を貪欲に踏み出していかないと、相手からボールを奪えないし、相手にとって怖い選手にもなれない」

 こう語るのはFW中村敬斗。三菱養和SCユースに所属し、すでにポイントゲッターとして頭角を現している選手だ。ボディーシェイプとターンスピードに優れ、どこからでもゴールを狙えるストライカーである。

「代表に行く前はフィジカルコンタクトを避けていたのですが、それをしていたら戦えないし、生き残っていけない」

 こちらはFC東京U-18に所属するMF平川怜のコメント。展開力と危機察知能力に長けたボランチである。高円宮杯プレミアリーグですでに定位置を確保しており、鋭い寄せからのインターセプトが向上したことで、自らの武器である展開力もより生きるようになってきているという。

「もっともっと戦う姿勢、自己表現を」

「久保だけじゃないところを見せたいし、同年代のFWには負けたくない」

 横浜F・マリノスユース所属のFW棚橋尭士は久保へのライバル心をストレートに表現した。ゴールに貪欲なストライカーで、森山監督の指導により、さらに泥臭さを植え付けられたという。

 そして他にも、川崎フロンターレU-18に所属するFW宮代大聖、京都サンガU-18のMF福岡慎平、清水エスパルスユースに所属する186cmの大型DF監物拓歩など、チームの看板になりうる選手は沢山いる。

「物足りない部分は沢山ある。『俺がやったる!』、『見とけ、俺が決める!』という選手が少ない。『ボールを取りに行け』と言われないと行動ができない選手もいる。たった1つの軽いプレーが、世界で戦う権利を失うことに即つながる。もっともっと戦う姿勢、自己表現を見せて欲しい」(森山監督)

 “森山イズム”を注入し続けることにより、逞しくなってきた選手たちだが、熱血指揮官はまだまだ物足りないようだ。

【次ページ】 「早い年代で代表に選ばれた選手は、消えていくぞ!」

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