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男子レスリングの五輪出場枠が半減!
ロンドンからの4年で何が起こったか。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2016/05/11 10:40
日本男子のエースと目される高谷惣亮。2014年の世界選手権では銀メダルを獲得。得意のタックルでメダルを手にできるか。
出場する4人がなんとしてもメダルを取るしかない。
五輪競技としての存続のために階級を減らした影響も否めない。2013年まではフリースタイル、グレコローマンともに軽い方から55、60、66、74……とそれぞれ7階級だった。現在は、フリースタイルは57、65、74、86……の6階級、グレコローマンは59、66、75、85……の6階級。日本が強みを持っていた軽いクラスが減ったのである。
これまでは、ハードな練習や強化に工夫を凝らし、オリンピックで毎大会メダルを獲得してきた。決して競技人口が多くない国内のレスリングの競技事情を考えれば、隙を作らず強化に取り組んできたことの成果だったのだろう。
出場階級が半減した現実は、これまでの手法が通じなかったことの表れだ。
凋落に歯止めをかけるには、出場する4階級でメダルの伝統を死守するしかない。
日本レスリング界は、さらに大きくなった危機感とともにリオデジャネイロへ向かうことになる。