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南野拓実、5試合ぶりのスタメン出場。
新監督下で“絶対的存在”になれるか。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/04/28 10:50
リーグ、カップ戦と、昨年に引き続き2年連続の二冠達成は目前。強豪チームで南野個人の結果も求められる。
ガルシア監督就任後のゴールはわずか2。
チームでも3番目に多いゴールを決めている南野が試合に出られない状況は、少し異様なものに見える。そもそも、結果を残せる選手には千金の価値がある。それはヨーロッパにおける一つの真理だ。
ただ、ガルシア監督が就任してからの12試合では10試合に出場し、わずか2ゴールを決めたにすぎない。新監督の下では、まだ、絶対的な存在にはなれていない。だから、南野はゴール以外の部分でも、チームに貢献できることを証明していかないといけない。
それでも――。
南野が大切にしているものが、失われたわけではなかった。
チームが勝ち続けているので、その流れに乗りたい。
4月23日のアルタッハ戦に左MFとして先発した南野は、逆サイドにボールがあるときには常にゴール前へと飛び込んでいった。前半終了がせまった時間帯でも、精度の低いクロスが続いたあとでも変わらなかった。そして、24分にソリアーノがペナルティエリアの手前からFKから直接ゴールを狙った際にも、ただ一人、ゴール前につめていた。相手キーパーがボールをこぼしたとき、それをゴールに叩き込むために。
腐ってもいない。不満を浮かべるわけでもない。試合に出て、ゴールを決めるために、やるべきことを続けるだけだ。だから、アルタッハとの試合が終わったあとも、穏やかな表情でこう語った。
「1つ、(ゴールなどの)結果が出れば変わると思います。チームはずっと勝てているので、その流れに乗っていきたいですね」
先日、五輪代表の対戦相手が決まったが、今は目の前の戦いに目を向けることが大切だと南野は説く。