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世界フィギュア女子は至高の戦いに。
健闘した日本勢の戦いぶりを振り返る。
 

text by

田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byAsami Enomoto

posted2016/04/07 17:00

世界フィギュア女子は至高の戦いに。健闘した日本勢の戦いぶりを振り返る。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

演技後、静かに微笑んだ浅田。来季も現役を続ける意志を表明し、「次はもっと勝負にこだわってみます」とコメントしていた。

16歳の新女王、エフゲニア・メドベデワ。

 新女王になったのは、16歳のエフゲニア・メドベデワだった。

 今シーズン、GPシリーズでシニアデビューを果たし、GPファイナル、欧州選手権と、シニアの大きなタイトルを総なめにしていった時点で、彼女がここのタイトルを取ると予想はされていた。

 SPは予想外の3位スタートとなったが、フリーでは7度の3回転ジャンプを降りて完璧な演技だった。フリー150.10はキム・ヨナの記録を破って歴代最高スコアを塗り替えた。

「まだとても実感が湧いていません。普段と同じようにトレーニングをして、この大会のために準備をしてきた。これほど大勢のお客さんの前で演技をしたのは初めてだったけれど、ロシア語の応援も聞こえてサポートしてもらいました」と会見で通訳を通して語ったメドベデワ。

新チャンピオンは日本のアニメファン!?

 これまでロシアから多くの才能ある若手女子が出現しては、消えていった選手も多い中、メドベデワは一風変わっている。

 ロシア語の通訳がいないと、話しかけられても無表情で無視していく選手も過去にはいたが、メドベデワはわかることは自ら積極的に英語を口にし、楽しげに取材に答える。聞けば母親に家の中では英語を使うようにと教育されているそうだ。

 また日本のアニメが大好きで、個別取材をした際に趣味はと聞くと即座に目を輝かせて「Manga!!」と答えた。こうした無邪気さ、人懐っこさを、来季も失わずに保って欲しい。

アシュリー・ワグナーは悲願のメダル。

 SP4位から挽回して銀メダルを獲得したのは、24歳のアシュリー・ワグナーだった。2年目となる『ムーランルージュ』のプログラムで、落ち着いて指の先、足のつま先までよく神経の行き届いた素晴らしいプログラムを滑りきった。最後のジャンプ、3ルッツを着氷すると、自然にこぼれてくる微笑を抑えながらステップ、そしてスピンを終えた。

 7度の3回転のうち2つが回転不足の判定だったが、レベルの高い演技が続いてきた中、最終滑走でこれほどの演技ができたのはベテランの彼女ならではである。フリー2位で、総合も2位。米国の女子として10年ぶりに、世界選手権メダルを獲得した。

「みんな良い演技をしていたのはわかっていて、氷に乗ったときは怖気づいていた。それであの演技ができたのは、本当に信じられないことでした」と喜びを口にした。

「なぜまだ私が現役を続けているのか疑問に思っている人もいたと思う。ここでは他の人の失敗のおかげではなく、自分の力でメダルを獲得できたことがとても嬉しいです」

【次ページ】 サプライズメダルのポゴリラヤ、逃したゴールド。

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