月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島、3月のスポーツ新聞時評。
「野球だけ」の明るい記事が読みたい!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byNanae Suzuki
posted2016/03/30 10:50
開幕前の順位予想では、多くの識者が首位に挙げている金本阪神。「超変革」はチームを激変させている!
交流戦では野球だけでなく金銭の交流も?
スポーツニッポンが作製していた今回の声出し7球団の比較表(3月18日)がわかりやすかった。「参加」「開始時期」「内容」「金額」「敗戦時の支払い」などが比較されていた。
それによると、古い順だと阪神「2011年」、巨人「2012年春」、広島「4~5年前」、ロッテ「2013年」、西武「2~3年前」、楽天「2014年交流戦のみ」となる。ちなみにソフトバンクは「数年前」で具体的な年次は出ていない。
阪神と巨人と広島(つまりセ・リーグ)が似たような時期に始めたことをみると、試合時の選手同士の会話から伝播した可能性も想像できる。そして交流戦をおこなった結果、遅れてパ・リーグにも伝わったという「まさに交流戦だった」説も浮かぶ。
スポニチの表をみると他チームは「野手」だけでやっていたが巨人だけは「投手、野手」でおこなっていた。そして他チームは敗戦時に声出し担当はお金を払わないが、巨人だけは「1000円」を皆に支払っていたこともわかる。巨人の声出しのゲーム性、特殊性が浮き彫りになった。
金銭の賭け方でチーム事情が分かる!?
それぞれの“チーム事情”も如実にわかった。
参加費は巨人と阪神が5000円で群を抜いて高額だった。しかし広島が昨季から「1万円」とあって、え? となるのだが、注釈がついていた。「それ以前は1000円」「5連勝以降の試合から」という注釈である。広島の球団本部長は「一昨年は5連勝が一度しかなかったので、連勝したいという中で(金額を)上げた」と答えている。
“5連勝以上したい! 選手間の士気をあげたい!”
これって選手が自分たちでつくったニンジン(報奨金)ではないか。こうして公になった以上はもうやらないだろうが、これはゆるしてもいいのではないか。思わずそう感じてしまった。
DeNAは円陣声出しはおこなわれていなかったが、「投手好成績で祝儀」(サンスポ 3月21日)をやっていたことが発表された。4項目に各選手が1万円ずつ拠出して各項目トップが総取りというもの。
なぜ、DeNAはチーム成績ではなく個人成績だったのか。チーム成績を対象にしたら不都合があるのか。
……これ以上の考察はやめておくが、またしてもチーム事情がわかる一件ではないか。