フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪金メダリストがトランプ氏を語る。
米国大統領選とスケートの奇妙な縁。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2016/03/23 12:10
「ウォールマンリンク」で開催されたチャリティ・イベントでのトランプ氏。スケーターではサラ・ヒューズ、チャーリー・ホワイト、ジョニー・ウイアー、ドロシー・ハミルらが出席した。
では、トランプはどこまで行くのだろうか?
超がつくほどリベラルなニューヨーカーたちの間では、一般的にトランプに対する批判の声は半端ではなく、反対運動のデモ行進まで行われている。バトン氏はハーバード大学ロースクールで法律を学び、弁護士の資格まで有しているインテリである。彼のような知的階級の人間が、トランプを高く評価しているのはちょっと意外ではあった。
「ウォールマンリンク」の一件で、借りがあると感じているのだろうか。
「いや、そうは言わない。私は借りがあるとかないとかいう見方はしない主義です。ただ彼がリンクの改装をやってのけたことは良かったし、みんなでそれを祝うことができたのは良かったと思っています」とバトン氏は言葉を結んだ。
現在でも「ウォールマンリンク」には、「トランプ」の名前が掲げられている。
毎年のようにここで行われていた「スケーティング・ウィズ・ザ・スターズ・アンダー・ザ・スターズ」と題された、ハーレムの子供たちをサポートするチャリティイベントには、大勢のスケーターと共に必ずトランプ夫妻が姿を見せていた。
スーパーチューズデーでますます勢いを得たように見えるトランプは、どこまで突き進んでいくのだろうか?
このままトランプは、共和党の指名を受けることになるのだろうか?
誰かが彼の暴走を食い止めてくれるのか?
バトン氏は楽観的なようだが、スケート関係者たちの中には複雑な思いで見守っている人々も多いに違いない。