スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
スペインで吹き荒れるコスタ不要論。
メディアがあげつらう彼の「乱行」。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byAFLO
posted2016/03/18 10:40
ピッチ上で数々の「暴挙」の歴史があるジエゴ・コスタ。スアレスは大分改心したように見えるのだが……。
アンケートでは「招集すべきではない」が8割!
デルボスケは、母国ブラジルで裏切り者扱いされてまでスペイン代表を選んだコスタに義理立てしている。
2年以上も続いてきたラ・ロハにおけるコスタ贔屓の理由を考えると、最後はどうしてもそこに行き着いてしまう。だが、義理立ては母国開催のワールドカップ出場で果たしたと考えるべきだ。
もはや3月の2試合と直前合宿のみでコスタと周囲の連携が飛躍的に伸びることは期待できない。ならば先述したように切り札としての使い方に起用法を絞るか、他の選択肢に目を向けるかだろう。
35歳にしてキャリア最高のパフォーマンスを維持し、待望論が日増しに高まっているアリツ・アドゥリスをはじめ、コスタに固執せずとも即戦力となり得るセンターフォワードは他にもいるのだ。
既に世論はコスタに見切りをつけている。先日マルカ紙がウェブサイトで行ったアンケートでは、「コスタを招集すべきではない」という回答が80%を超えていた。別のアンケートでは、EUROで先発すべきセンターフォワードとしてアドゥリスが60%以上の票を集めた一方、コスタはモラタやアルカセルをも下回る7%弱にとどまっていた。
「国民投票でメンバーを決めるわけではないが、誰もがアドゥリス、アドゥリス、アドゥリスと言っているのを無視することはできない」
先日デルボスケはそう言ってアドゥリス招集の可能性を示唆していたが、果たして「EURO本大会のメンバーに近い構成になる」という今回の招集メンバーに動きはあるのか。
18日の発表を前に、デルボスケは決断を迫られている。