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野球にまつわる有象無象が集う奇祭。
東京野球ブックフェア、知ってます?
posted2016/03/12 08:00
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
Akiko Yamamoto
プロ野球開幕を直前に控えたこの季節。今年もまた年に一度の野球本の祭典がやってまいりました。
3月13日(日)。世田谷ものづくり学校で開催される「東京野球ブックフェア2016」。
皆様はこのイベントをもうご存知でしょうか。
毎年秋にビッグサイトの方で大々的にやっているアレとはちょっと違い、過去から現在、古今東西の“野球本”が集まるという野球本のお祭り。
2011年10月に、第1回が開催された時は、東京・月島の老人介護施設のフリースペースという、ある意味野球とは最も離れたアナーキーな場所でしたが、初回から大盛況となり、毎年毎年着実に進化を重ね、今では「広島野球ブックフェア」が行われるなど、文系野球界の一大イベントに成長しました。
あの著者さんの最新本を手渡しで買える! びっくりするほど貴重な古いお宝野球本が手に入ることもある! トークイベントがマニアックすぎる! ベイスたんのカネシゲ先生に似顔絵を描いてもらえる! 分類王石黒謙吾さんの30年分の仕事のファイルが見られる! と、とにかく“野球”と名のつくものならなんでもアリというノリ。
出店しているのは、野球本を出している著者や出版社を中心に、野球古書店に同人誌作家、果ては漫画家写真家。謎の野球団体、謎じゃない野球芸術家、ピンクの野球居酒屋店主まで。素晴らしい野球人であり野球作家さんから、野球という憑代に羽虫が如く集まってきた奇特で危篤な奇人変人までが大集結する見本市。かと思えば、元スワローズマネージャーの磯山さやかさんが遊びに来ていたり、ODA氏が唐突に著書を売っていたりと、客も含めて、とにかく、濃い。
出店者は「野球関連のものをつくっている方」。ゆるい!
主催者の林さやかさんは言います。
「野球本のお祭りということではじまったこのイベント。最初は老人介護施設とはいえ、運河沿いの屋外で古本を自由に見られる、非常にいいロケーションのスペースだったのですが、年々出店者さんも来場者の方も増え、場所が手狭になりまして、原宿のレンタルスペースを経て、今回は三軒茶屋の『世田谷ものづくり学校』に行き着きました。
出店者さんは、一部の常連さんにはお声をかけつつ基本的には公募で募っているのですが、ものすごくざっくりいうと『野球関連のものをつくっている方』なら誰でも出店可。 最近は“野球本のお祭り”というよりも“野球の文化祭”というほうが近くなってきた気がします。そうそう。今年は東都の某大学で野球部マネージャーをやられていた方のコーヒー屋さんも出店してくれるんです!」