野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
野球にまつわる有象無象が集う奇祭。
東京野球ブックフェア、知ってます?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byAkiko Yamamoto
posted2016/03/12 08:00
世界のどこにも売ってないんじゃないか、誰が何の目的で作ったんだこれ、というレア本がざくざく。
ヤクルト芸術家やカープガールにもつ鍋屋も?
この野球だらけの本売り大会。筆者も縁あって第1回から参加させていただいていますが、毎回毎回驚かされることばかり。
まず、大前提としてさすが本の品揃えがすごい。ずーっと探していた貴重な野球本が唐突に見つかったりするので、野球本好きはたいてい一文無しになります。
あと会場にいる限り、9割9分が野球話です。来場しているお客さんを見れば、結構な野球関係者や出版関係者。そしてこの連載にも登場した、あのヤクルト芸術家や、あの代打や、あの野球音楽DJに、カープガールに、あのもつ鍋屋さんらが姿を見せていたように、世の中の変わり者の野球人・野球ファンと呼ばれる方々は、おそらくここにいればほぼ会えるような気がします。呉の純さんとポッティも広島のブックフェアで出会いましたし。
示し合わせたわけでもないのに、ユニフォーム率高し。
彼らが「野球」と「本」という共通の言語を介し、出店者とお客さんだけでなく、お客さん同士で意気投合したりと、このイベントが野球人の出会いの場としてもひと役買っている側面もあるようです。再び林さん。
「まず、開場からラストまでいる方もザラですから、ひとりあたりの平均滞在時間はかなり長いのです。それに第1回から、示し合わせたわけでもないのに、なぜかお客さんのユニフォーム着用率が異様に高い。有名ドコロじゃない選手のユニフォームや、今はなき古い球団のユニフォームなどを着ていると、わりと話しかけられたりする傾向はあるような気がしますね。
でも、普段着でも全然問題ないです。さくっと見て帰っても大丈夫です。『野球、ちょっとぐらいは見るけど……』というくらいの方にこそ来ていただきたいのです。大丈夫、怖くないです。これまではわりと『マニアックな野球好きのためのイベント』と言われがちでしたが、今回は三軒茶屋のおしゃれなリノベーションスペースで開催ですから、デートにも最適です!! 怖くない、怖くないです。野球が好きなら、誰が来ても楽しめます。間違いありません。大丈夫。ホラ、おいしいコーヒーでも飲んで行ってください」
逆に、怖いよ!