野球場に散らばった余談としてBACK NUMBER
泥にまみれる高山俊と板山祐太郎。
阪神の輝ける未来は二軍キャンプに。
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/02/17 10:50
二軍春季キャンプでの掛布二軍監督と高山。熱血指導では、早速フォーム改造が始まっていた。
意地のぶつかり合いがチームを活性化する。
11日の練習試合で一足早く実戦デビューした板山が3安打&タイムリーの大活躍。掛布二軍監督は「板山の3本のヒットは高山も意識するヒットになった」と歓迎する。
黄金ルーキーと雑草ルーキー。
そこにはドラフト順位など関係なく、意地がぶつかり合う。若武者2人の相乗効果が安芸キャンプを盛り上げているのは間違いない。
かつて「掛布」もここで汗を流し、歯を食いしばり、スターダムを駆け上がった。歳月は流れ、高山ら新顔が何者かになろうとしている。歴史はそうやって紡がれるのだ。
のどかな安芸の海で泳ぐ「どろめ」は、まさか記者に食われてしまうヤツばかりではあるまい。強運があって、ずぶとくて、たくましいヤツは、やがて大きくなって太平洋を悠々と泳ぎ回る。
そういえば、ルーキー2人は、どことなく眼光が鋭い。
いまは世間の喧噪から離れて泥にまみれ、大海原に飛び出すための力を蓄えているのである。