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前田健太がドジャースでも
「マエケン体操」を続ける理由。

posted2016/01/13 10:55

 
前田健太がドジャースでも「マエケン体操」を続ける理由。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

少し前かがみになり、脱力した両方の腕を肩甲骨から大きく回すように動かす「マエケン体操」。そのユーモラスな動きは、実は非常に合理的でもあった。

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NumberDo編集部

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Hideki Sugiyama

 ついに前田健太投手のメジャー移籍が発表された。

 ロサンゼルス・ドジャースとの契約は8年総額で2500万ドルという長期契約。背番号は広島カープ在籍時と同じ18となった。

 今回の入団で話題になったのが、入団会見での前田投手による、身体検査で「イレギュラー」な点があった、という発言だ。肩やひじに故障があるのだろうか――?

 契約は8年2500万ドルにプラスして先発数、イニング数などに応じて1億ドルを超す出来高だと報じられている。基本給は年平均で300万ドル程度となり、メジャーリーグの平均年俸420万ドルよりも低い。一方で多額のインセンティブが盛り込まれ、「身体検査でイレギュラーな点があった」ことを理由に活躍できないリスクがあると球団が考えているようにも見える。実際、球団は前田投手の故障を織り込み済み、と報じるアメリカメディアもあった。

 入団会見でもそのことについての質問がとんだ。

――投げられるという自信は?

「昨年も1年間通してフルに投げてこられたので、この先もずっと投げていく自信もありますし、しっかり自分の身体を知りながら、チームに貢献していく自信があります」

――フィジカル面での不安はない?

「不安はまったくないです。ゼロです。その中でもドジャースが契約を長きにわたってしてくれましたし、その恩をしっかり返したいと思います」

広島入団以来8年、大きな故障もなく投げ続けてきた。

 前田選手は周囲の騒ぎをよそに自らの体に自信を持っているようだ。実際、前田投手は広島入団以来、8年間で4度、年間200イニングをクリアするなど大きな故障もなく投げ続けてきた。

 会見の中で注目したいやりとりがあった。

――マエケン体操はどうするのか?

「アメリカの方には知られていないと思うので、インターネットで調べてもらって……。(ルールでベンチ前ではできないので)ベンチの中でやりたいです」

 このマエケン体操こそが、前田投手が故障をせずに投げ続けてこられた理由のひとつかもしれない。

【次ページ】 「マエケン体操」誕生秘話。

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