詳説日本野球研究BACK NUMBER
来年の六大学、東都の戦力徹底分析。
小笠原・オコエ世代の1年が台風の目?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/12/25 10:30
中京大中京の上野翔太郎投手は駒澤大に入学。上級生とのエース争いは激戦必至だろう。
六大学は早稲田、東都は国学院、中央がダークホースか。
近年上位に顔を出すことが多くても勝ち切れないのが中央大。最後の優勝が'04年秋だから22シーズンも美酒から遠ざかっていることになる。投手は村川翔太(3年)、鍬原拓也(2年)、伊藤優輔(1年)が残り、野手はドラフト候補の松田進(3年・遊撃手)を筆頭に、保坂淳介(捕手・2年)、小河諒(一塁手・3年)、新城拓(二塁手・3年)、土谷恵介(三塁手・2年)、山田直(左翼手・3年)と15年秋のレギュラーがほとんど残っている。ここに了海航(国学院久我山・捕手)、遠藤真(盛岡大付・二塁手)、五十嵐滉希(関東一・外野手)、大工原壱成(桐光学園・外野手)が加わるので選手層の厚さは実力の東都の中でもナンバーワンと言っていい。
この3校以外では専修大が速球派の前田敬太(中部商)に強打者として評判の高い坂口漠弥(天理・一塁手)、平湯蒼藍(長崎海星・遊撃手)、1部復帰の東洋大がいずれもドラフト候補だった津田翔希(浦和学院・二塁手)、山田知輝(桐生一・外野手)、星兼太(日本文理・外野手)の3野手、秋のチャンピオンチーム・亜細亜大が2年春の選抜で速球派・柳川健大(岩国)のスライダーをライトスタンドに放り込んだ山本卓弥(神村学園・外野手)など好素材の加入が目立つ。
亜大は在校生も充実していて、投手は諏訪洸(3年)、山田義貴(3年)、嘉陽宗一郎(2年)、野手は宗接唯人(捕手・3年)、頓宮裕真(捕手・1年)、正随優弥(一塁&指名代打・1年)、法兼駿(二塁手・3年)、木浪聖也(遊撃手・3年)、水本弦(外野手・3年)と実力者が残っている。1年生をアテにしなくても戦える上級生への信頼度はピカイチと言っていい。
以上の現有戦力と新戦力を併せて春のリーグ戦を考えると、東京六大学リーグは法大と明大に早大が絡んでくる展開、東都大学リーグは王者・亜大に戦力の充実がめざましい国学院大、中大が競っていく展開が予想される。