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来年の六大学、東都の戦力徹底分析。
小笠原・オコエ世代の1年が台風の目? 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/12/25 10:30

来年の六大学、東都の戦力徹底分析。小笠原・オコエ世代の1年が台風の目?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

中京大中京の上野翔太郎投手は駒澤大に入学。上級生とのエース争いは激戦必至だろう。

法政大にも甲子園を騒がせた長身右腕が加入。

 近年、監督と選手、OBの対立などプレー以外のところで話題になってきた法政大だが、勢いのある1年生の入学で久々に活気がある。投手は195センチの長身右腕、内沢航大(八戸工大一)の評価が高く、さらに甲子園でキレのいいストレートが話題になった中野祐一郎(白樺学園)など楽しみな選手が多い。新人に期待しなくても在校生の玉熊将一(3年)、熊谷拓也(2年)、森田駿哉(1年)、菅野秀哉(1年)が実績を残しており、現在の布陣でも十分に戦える。

 野手は森川大樹(捕手・3年)、柴田圭輝(一塁手・3年)、金子凌也(三塁手・3年)、大西千洋(中堅手・1年)が残り、ここに新1年生が加わり壮絶なポジション争いが演じられそうだ。

 伊藤寛士(中京大中京・捕手)、宇草孔基(常総学院・二塁手)、安本竜二(静岡・遊撃手)、福田光輝(大阪桐蔭・遊撃手)、舩曳海(天理・外野手)は間違いなく将来の法大を背負って立つ逸材で、伊藤、宇草、舩曳はU-18W杯の日本代表メンバー。その中でも舩曳は同大会で最多得点に輝き、即戦力候補と言っていい。

 3校以外では、慶應大が夏の甲子園大会準優勝校の4番・郡司裕也(仙台育英・捕手)、立教大が選抜ベスト4の立役者・江口奨理(浦和学院)の入学が決まっている。郡司はU-18W杯では堀内謙伍(楽天4位)とともに先発マスクをかぶることが多かった超高校級捕手、江口は左腕から操る縦変化のスライダー、チェンジアップのキレが高く評価されている。

高橋純平やオコエ瑠偉がベストピッチャーに選んだ上野。

 東都大学リーグにも、好素質の球児が大挙して入学する。私が最も即戦力だと評価するのが2部リーグに転落した駒澤大に入学する上野翔太郎(中京大中京)。

「選手が選ぶベストナイン」という某専門誌の企画があり、高橋純平(県岐阜商)、成田翔(秋田商)、オコエ瑠偉(関東一)、小笠原慎之介(東海大相模)がベストピッチャーに選んだのが上野。

 回転のいいストレート、そのストレートを打者の内角いっぱいに突くコントロールなど長所を挙げればキリがない。東野龍二(2年)、田中和椰(3年)、高橋由弥(2年)などと争うエース争いは見もので、1部復帰の秘密兵器と言っていい。上野以外では甲子園で話題になった好投手・小川良憲(近江)、帝京の4番・中道大波(外野手)も楽しみだ。

 粒揃いということでは国学院大の新入生が一番だ。いずれも知名度は低いが、投手は吉村貢司郎(日大豊山)、小玉和樹(佼成学園)、田村海人(桐蔭学園)、横山楓(宮崎学園)と本格派が並び、野手は夏の甲子園で放った2ランが印象に残る鎌仲純平(北海・外野手)と、やはり夏の甲子園で3ランを放った伊藤雅人(関東一・遊撃手)、100キロ超えのスラッガー・井古田拓巳(前橋育英・三塁手)、3拍子タイプの貞光広登(天理・遊撃手)とバラエティに富んだ実力者が顔を並べる。

 投手は主力が卒業し、野手も柴田竜拓(DeNA3位・遊撃手)をはじめ、大前将吾(捕手)、鈴木薫(中堅手)、櫻吉宏樹(一塁手)などレギュラーが卒業するので新入生が力を発揮できる条件が揃っている。

【次ページ】 六大学は早稲田、東都は国学院、中央がダークホースか。

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