スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
秋春続けてオシャレ&機能的に使える。
注目の“あの”ダウンベストは温故知新!?
posted2015/11/13 10:00
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
Nanae Suzuki
陽射しは弱く、風が冷たくなりつつある今日この頃。アウトドアスポーツ&レジャーのスタイルも衣替えのタイミングだ。そこで“今シーズンに絶対流行る”ダウンベストを先取り! その機能性を解説し、カッコいい着回し方を提案する。
奥山 お早うございます。ここんところ、朝の空気が凛としてきましたね。このように寒くなってくると、スポーツどころか屋外に出るのもおっくうになってきますね。
高 なに弱気な発言してんの! 寒さにめげずガシガシ外に出て、スポーツしなきゃ! とは言え、寒い冬は自転車に乗るのが辛いんだよね~。しっかり防寒対策しても、ハンドルを握る手とペダルを漕ぐ足の指先がかじかんじゃって、痛いくらいなんだよね。
奥山 ちゃんとグローブしてるんですよね!? ソックスも二枚重ねとか!? 指先を盛んに動かしてもダメですか?
高 何をやっても無駄! 寒いときに屋外で運動すると、脳が「こりゃヤバい。生存に必要不可欠な内臓を優先的に温めなきゃ!」って、温かい血液をどんどこ身体の真ん中に集めるようにして、逆に指先とかの身体の末端に十分な血液を送らないようにしちゃうんだ。で、身体の真ん中が温まって、脳が「どうやら大丈夫だぞ」と判断して、ようやく指先に血液を送り出すんだよ。
奥山 なるほど。だからエベレストとかで遭難した登山家は、指先が壊死しちゃうんですね。
高 そうだな。俺は本当に寒い日のツーリングは、家を出る前に熱いスープやコーヒーを飲むようにしているんだ。胃袋、すなわち胴体の真ん中が温かいから、手足にもちゃんと血液が回るので、指先がかじかんで痛くなることはないんだよ。ウィンターシーズンは、胴体を温めることが大切なんだ。
「保温性」「運動性」「携帯性」3拍子揃うダウンベスト。
奥山 出かける前の温かい食事も効果的ですが、こういうアイテムなんてどうです? ジャ~ン(ダウンベストを取り出す)。
高 おっ? ダウンベストじゃないか。いいね。俺は昔からベストタイプの防寒着は、アウトドアスポーツ&レジャーに必要不可欠だと、ことあるごとに言ってきたんだけどね。
奥山 上体から腰下まですっかり覆ってしまうジャケットタイプの防寒着と違って、ダウンベストは季節の移り変わりを感じながら、着回しを楽しむことができますからね。
高 うむ、カジュアルファッションのアイテムとしては、奥山の指摘はもっともだけど、俺が言いたいのはダウンベストが運動性&機能性に優れているってことだ。袖がないぶん腕の動きを妨げることがないし、軽量で丸めれば小さくなるから携帯にとても便利だろ!?
奥山 着回しと言いましたが、ファッションとしてだけじゃありませんよ。中に着るシャツや上に着るアウターとの合わせ方次第で、天候や気温の変化に対応できるってことを言いたかったんですよ。
高 なるほど。そのとおりだね。そんなに寒くない秋口や春先なら、ダウンベストを着るだけで十分に身体の中心の体温をキープできるし、冬や高地ではウィンドブレーカーを上に着れば、ダウンの保温性を高めることができるってワケだ。
奥山 そう! しかも、水に弱いダウンのことを考えたら、防水&放湿性に優れたアウターは必須ですね。