ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
アメリカは20代が7戦連続で優勝中。
日本男子ゴルフが若者に厳しい事情。
posted2015/11/05 10:40
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Getty Images
突然ですが、問題です。
石川遼と松山英樹が同学年であることは多くのゴルフファンが知るところ。'91年9月生まれの24歳、'92年2月生まれ23歳の2人は、それぞれアマチュア時代にプロのトーナメントで優勝。のちに賞金王になり、日本の男子ツアーに新世代の息吹を感じさせました。
では、現在の日本男子ツアーにおいて、彼らよりも年下で、優勝経験のある選手は何人いるでしょうか――?
すぐに名前を挙げられる方は、どのくらいいるだろうか。
正解は2人。
ひとりは2013年アジアパシフィック・パナソニックオープンで優勝した川村昌弘。もうひとりは'12年のカシオワールドオープンを含め2勝を挙げている韓国の黄重坤である。
石川、松山と同学年の選手を含めても、あとは通算2勝の李京勲だけが当てはまる。
男子ゴルファーがピークを迎える時期はそれぞれ幅広く、若いうちに活躍すればいいというものではない。ただし、太平洋を隔てた向こうではいま、逆の潮流が生じていると言える。
米ツアーで20代が7試合連続優勝。
スケジュールの都合上もう昨シーズンということになるが、米ツアーではこの夏のプレーオフシリーズ初戦のザ・バークレイズから、短いオフをまたいで7試合連続で20代の選手が優勝。
10月に開幕した2015-16年の新シーズンにおいては、ここまで全3試合の優勝者の年齢が23歳1カ月(エミリアーノ・グリージョ/フライズドットコムオープン)、23歳10カ月(スマイリー・カウフマン/シュライナーズ・ホスピタル)、22歳6カ月(ジャスティン・トーマス/CIMBクラシック)という若返りぶりだ(ちなみに20代の連勝が始まる直前の試合で勝ったのは51歳のデービス・ラブIIIだった)。
今年22歳のジョーダン・スピースがメジャー2勝を遂げただけでなく、最高峰の選手層を持つ米ツアーは、川村や黄のような世代が続々とタイトルを掲げているのである。