濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
続々開催される新・格闘技イベント。
世界的UFCブームを、日本が猛追!
posted2015/09/27 10:50
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
PRIDEが開催されなくなって、8年が経った。
後継団体のDREAMも、戦極もすでになく、「すっかり格闘技を見なくなってしまった」という人も多いのではないか。
しかし世界的に見れば、現在こそが格闘技ブーム。UFCが各国で大会を開催し、数々のスターを生んできた。
日本格闘技界も、その歩みを止めたわけではなかった。強豪選手が次々とUFCに参戦して“最強”に挑み続けているし、昨年からスタートした新生K-1は好調な観客動員を記録している。
9月21日には、K-1の地上波進出もアナウンスされた。番組名は『新K-1伝説』。10月8日から、テレビ東京で毎週木曜深夜に放送される。
深夜番組だから、かつてのような“大ブーム”にはまだ遠いだろう。ただ、毎週見ることのできるレギュラー番組であることで“根付かせる”効果は大きいのではないか。
格闘技大会のゴールデンタイム放映目指す!
放送決定の記者会見に出席したK-1ファイター・左右田泰臣は言った。
「今のK-1は新しいK-1。地上波“復活”ではなく、新たな地上波“決定”だと思ってます」
つまり、ここからがスタートだということだ。“テレ東深夜”はゴールではない。選手も関係者も喜んでいるが、といって誰も満足していない。前田憲作プロデューサーは「ゴールデンタイムを目指します」とコメントしている。
「最終的には、みんな(ファン)をラスベガスに連れていきます」
そう言ったのは木村“フィリップ”ミノル。翌22日のK-1後楽園大会では、メインイベントに出場した。
いつものビッグイベントではなく、若手の抜擢や結果を残せていない選手の生き残りをかけた試合が主軸となるこの大会で、木村は平本蓮と対戦した。
22歳でキャリア24戦、K-1 -65kg王者ゲーオ・フェアテックスにノンタイトル戦で勝っている木村に対し、平本はまだ17歳。キャリアはわずか3戦だ。
しかしK-1甲子園で優勝するなど実力は折り紙つき。「勝負は成り立つ」、「もしかしたら平本が……」と考えた者も多かったはずだ。だからこそ、会場は当日券まで完売の超満員になった。