メルマガNumberダイジェストBACK NUMBER
香川真司の“タイミング”を知る19歳。
福西崇史が語る新生ドルトムント。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph bySports Graphic Number
posted2015/09/02 17:20
「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。
香川の良さが出たコントロールシュート。
――そんなインゴルシュタット、そして開幕戦のボルシアMGも昨季は3位に入った強豪と、難しい相手に大勝したドルトムント。その中で香川が輝いてますね。
福西:しっかりと結果を残しているよね。開幕戦でアシストしたし、オレが解説した試合でも試合を決定づける3点目を奪った。
――福西さん、あのゴールの瞬間「うまいっ!」って声を上げてました。
福西:相手の状況をしっかりと確認したコントロールシュートだったからね。まず、ボールをもらう前の動きであえてゴール前で止まって、自分のためにスペースを空けておいた。そしてボールをもらうと、後ろからチェックに来た相手と上手く駆け引きしつつ、前でシュートブロックしようとしたディフェンダーの股が開く瞬間を狙って冷静に蹴りこんだ。香川の良さが出たよね。
後半受け身になっても勝ち切れた強み。
――あとヨーロッパリーグ予選でも2試合で3ゴールを挙げていますからね。まずは香川のゴールについて語ってもらいましたが、今回は「新生ドルトムントと香川」というテーマを設けて話していこうと思います。インゴルシュタット戦、ドルトムントは前半から相当チャンスを作っていました。
福西:うんうん。すごくいい形を作っていたと思う。前半で1点も決められなくて、後半立ち上がりにインゴルシュタットが前から来て、少し受け身になった。インゴルシュタットの立場としては“もしかしたら”が起こせる可能性はあったよね。でもドルトムントがそこで1点を先制して勝ち切ったのは強さを感じた。
――バランスを崩さず戦えたところに「これは!」と思う選手がいたように映ったんですが……。
福西:アンカーのヴァイグル?
――そうです! 攻守両面に効いていたなあと印象でした。ここはボランチ目線で福西さんの評価を聞いてみたいなあと。
福西:もちろんオッケーだけど、まだ無名だし、どんな選手かって説明した方がいいんじゃない?
――で、ですよね~(苦笑)。