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チームオーダー無しのガチンコ対決!
だからMotoGPの優勝争いは面白い。
posted2015/08/16 10:50
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
後半戦のスタートとなった第10戦インディアナポリスGPは、チャンピオン争いをするロッシとロレンソ、ようやく調子を取り戻しつつあるマルケス、そしてタイトル争いからは脱落も、その戦いの鍵を握るペドロサによる「4強」の戦いとなった。
優勝争いはマルケスとロレンソの一騎打ちとなり、マルケスが優勝。3位争いはロッシとペドロサのバトルとなりロッシが表彰台を獲得した。
総合首位のロッシを13ポイント差で追うロレンソは、ロッシとのポイント差を一気に縮めようとオープニングラップから全力で飛ばした。
しかし、予選を終えた段階でベストタイムもアベレージでもロレンソをわずかに上回っていたマルケスがロレンソをピタリとマークし、終盤のスパートでロレンソを振り切って今季3勝目を挙げた。
その戦いを視野に入れて後を追った総合首位のロッシは、ポイントの損失を最小限にするためにペドロサの前でゴールせねばならなかった。
前戦ドイツGPでペドロサのラストスパートに敗れたロッシだが、インディアナポリスではダニをしっかり捉えて最終ラップに逆転した。
ロッシとロレンソは9ポイント差の大接戦。
10戦を終えてロッシが195ポイントで総合首位をキープ。
総合2位のロレンソは、ロッシとのポイント差を13から9に縮めた。そして、今季3勝目を挙げて総合3位に浮上したマルケスは、ロッシとのポイント差を65から56に、ロレンソとの差を52から47に縮めた。
シーズンは残り8戦。
チャンピオン争いは、数字だけを見ればロッシとロレンソの一騎打ちの様相だ。
しかし、一度は脱落したかに見えたマルケスが盛り返してきた。
さらにシーズン前半、右腕の手術で欠場してチャンピオン争いから脱落したペドロサが、ここに来て速さを取り戻している。
マルケスがプレッシャーのない追う側の強みを発揮して連勝し、チームメートのペドロサがマルケスをヘルプするような展開となったら、状況は一気に変わりそうだ。