ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
松山英樹が他競技経験者に羨望!?
「ゴルフしかやってこなかったから」
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAFLO
posted2015/08/13 10:40
ゴルフ漬けの生活を送ってきた松山英樹だが、意外にも他競技の経験がないことを残念に思っているという。
バスケット出身、野球出身など様々な経歴の選手達。
松山が主戦場を米国に移してから2シーズン。同じツアーを戦う飛ばし屋、ダスティン・ジョンソン、ゲーリー・ウッドランドといった選手は大学時代にバスケットボール選手としても有名だった。タイガー・ウッズも「最近のツアーには、ダンクシュートができる若手までいる」と、彼らのパワーに舌を巻いている。
今季メジャー2勝のジョーダン・スピースは、かつて野球少年でもあり、チームでサウスポーの投手として活躍した。リッキー・ファウラーは14歳までモトクロスのレースに出場していた経歴を持ち、故障をきっかけにゴルフに専念するようになった。
ゴルフに限らず、米国のスポーツ界にはマルチな才能を持つ選手も多い。MLB、NFL、NBAのどこに進むか迷ったというアスリートもおり、天は二物を与えず――なんて言い回しにはちっとも現実味がない。
オーストラリアやアフリカのゴルファーにはクリケット出身の選手、カナダ人にはマスターズ王者のマイク・ウィアをはじめ、アイスホッケーに熱中していたプロも多い。日本人もプロ野球選手だった尾崎将司に代表されるように、他競技からの転向組が数人いる。
松山「何のスポーツをやっても、無駄じゃない」
彼らに備わった体力や運動能力は、松山にとっては羨望の的でもある。
「僕は野球、特にピッチャーが好きなんですけど、例えば少年野球で速い球を投げられる子は、ゴルフでもヘッドスピードを上げる動きができると思う。投げる動きは、手先の感覚も出るだろうし、スイングの動作につながるところがある。そういうのはすごくいいなあって。サッカーだったら足腰も鍛えられる。(小さい頃に)何のスポーツをやっても、無駄じゃない」
宿泊ホテルのジムで日々、酸欠状態になるほどのハードなトレーニングに精を出す松山だが、長いゴルフのキャリアにおいて培われた体力はあれど、それは運動量の高いプロバスケットボール選手やバレーボール選手に及ぶものではない。