eスポーツは黒船となるかBACK NUMBER
プロゲーマーのなり方、育て方。
日本初の完全給与制チームを直撃!
posted2015/06/12 10:40
text by
八木葱Negi Yagi
photograph by
Sports Graphic Number/SANKO.inc
プロゲーマー、という言葉を知っているだろうか。
「そういえばテレビでやってた」
「ギネスブックに載った人いたよね」
最近ではメディアの報道も増えたため、聞いたことがある、という人も増えていると思う。
では実際の彼らについて、どんなことを知っているだろう?
大会に出て賞金を稼いだり、スポンサー企業からの支援で海外へ遠征したり。
海外では年収1億円を超える人がいたり、憧れの職業の上位だったり。
そしてもちろん、ゲームはとんでもなく上手い。
もしこれ以上のことを知っているとしたら、あなたはかなりのゲーム通なはずだ。しかし、実はこれらはどれも、彼らがプロゲーマーになった“後”の話である。果たして彼らは、どのようにしてプロゲーマーになり、そしてそのことをどう思っているのだろうか。
こんな疑問をぶつけるのに最適なチームが、日本に実はある。
ゲーム『League of Legends(以下LoL)』のプロチームであり、2015年の1月から日本で初めてフルタイム・完全給与制で活動している『DetonatioN FocusMe(以下DFM)』。チームに所属する選手、コーチ、マネージャーらが共同生活するゲーミングハウスを千葉に訪ねた。
ゲーミングハウスとは、ゲームをすることを最優先に考えられた家で、最新のPC機器や集中を妨げないための椅子といった設備に加え、調理スタッフや戦略コーチなどが同居する、いわば“ゲームの寮”。DFMには7人の選手が所属しているが、そのうちの6人がここで生活しながら日々練習に励んでいる。
海外育ち、外国人を含む国際色豊かなメンバーたち。
まずは、選手7人とコーチのプロフィールを簡単に紹介しよう。
BonziN 24歳 愛知県生まれ。一人っ子が多いDFMで珍しい三兄弟の長男。チーム最年長。
Ceros 21歳 兵庫県生まれ。LoL以前にも複数のゲームで大会優勝経験を持つ生粋の競技型ゲーマー。
Yumenoti 21歳 北海道生まれ。「極める」ということに並々ならぬ興味を持つ学究肌。
Astarore 21歳 東京都生まれ。対人ゲームが好きなメンバーが多い中で、『モンスターハンター』などの協力プレーも好きという雑食ゲーマー。
Yutapon 18歳 愛知県生まれ。大学生とプロゲーマーの両立を目指し、唯一ゲーミングハウスに入らず生活している。
Hwang 23歳 韓国・ソウル生まれ。大学を休学してプロに。モデル経験もある美形担当。
Rokenia 19歳 韓国・ウルサン生まれ。こちらも大学を休学してプロに。大学では看板のデザイナーを目指していた。
Kazu 21歳 フランス・パリ生まれ。選手兼コーチとして、実際のプレーと戦略面で他のメンバーを支えるチームの頭脳。
年齢は18歳~24歳、2人の韓国人の他にも、BonziNはドイツ、アメリカでの生活が長く、Kazuは20歳までフランスで育つなど、国際色が豊かだ。日本的な土壌、とは違った環境で育ったからこそ、彼らは初めての完全プロチームメンバーとなれたのだろうか。
それでは早速彼らに質問をぶつけて行こう。