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モーリス“出遅れず”で安田記念制覇。
今年すでにGI4勝、快進撃続く堀厩舎。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/06/08 11:25

モーリス“出遅れず”で安田記念制覇。今年すでにGI4勝、快進撃続く堀厩舎。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

直線で力強く抜け出し安田記念を制したモーリス。11戦6勝でまだ4歳、これから中距離界に君臨することになりそうだ。

400m地点を過ぎても、川田の手は動かない。

 直線入口。モーリスの2馬身ほど前を行く先頭のリアルインパクトをケイアイエレガントがかわしにかかる。

 ラスト400m地点を過ぎてもまだ川田の手は動かない。

「前でケイアイが頑張ってくれたので、ぼくも追い出しを待つことができました」

 そう話す川田がラスト200m地点の手前でゴーサインを出すと、モーリスがケイアイをかわして先頭に躍り出た。川田は、直線半ばまでは楽勝かと思っていたというが、ラスト100mを切ったあたりから、福永祐一のヴァンセンヌが凄まじい脚で追い込んできた。

「なんとか残ってくれ、と思いながら追いました。今日は切れ味を生かすより、持久力を生かす競馬になりました」

 川田の右鞭に応えて脚を伸ばしたモーリスがヴァンセンヌの追撃をしのぎ切り、先頭でフィニッシュした。

ミッキーアイル「行ったほうがよかったかもしれない」

 勝ちタイムは1分32秒0。前半800mが45秒9で、後半800mが46秒1という、前後半がほぼイーブンな流れのなか、前の馬を見ながら、後ろからの急追にも備えられる絶好位の3、4番手で見事に立ち回った。

 福永が「イケると思ったけど、勝ち馬にもうひと伸びされた」と言うヴァンセンヌが首差の2着。

「ペースが遅かったので直線まで脚を溜めることができた」と田辺が振り返るクラレントが1馬身1/4差の3着。

「直線で上手く手前を替えられなかった」と戸崎が言ったフィエロは4着。

 5番人気のダノンシャークは、予定していたマイラーズカップをザ石で使えなかったことが響いたのか、伸びを欠いて10着。モーリスの近くの好位でレースを進めた4番人気のミッキーアイルは、騎乗した浜中俊が「結果的には行ったほうがよかったかもしれない。4コーナー手前で、もう余力がなかった」と言う内容で15着に沈んだ。

【次ページ】 堀厩舎がダービーに続いて2週連続GI制覇!

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