プロ野球亭日乗BACK NUMBER
キューバ選手とどう付き合うか――。
「青田買い+日本式育成」という活路。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/06/05 10:30
キューバ出身、メンドーサの魅力は190cmの長身から繰り出される速球だ。昨季は二軍で4試合に登板して防御率1.59。来日2年目の今季、21歳の右腕は一軍でも輝けるか。
日本育ちのキューバ選手と国際舞台で戦う、という夢。
あとはこうして育てた選手を、メジャーに持って行かれないように歯止めをかけるシステム、契約をどう作るか。そこが残された課題となるだろう。
もちろん、メンドーサが今後も順調に成長していけば、2017年に予定される第4回WBCや2020年の東京オリンピックで野球が正式競技として復活した際に、侍ジャパンの手強いライバルとなる選手を育てることにはなる。
とはいえ、国際舞台で日本育ちのキューバ選手と日本の打者たちがしのぎを削る――。それもまた野球ファンにとっては楽しい場面になるはずである。
ここまでは振り回され続けてきた印象ばかりが残るキューバ選手だが、この若き右腕の出現が、新しい局面を切り開く力になるのかもしれない。そんな期待感を胸に、これからの背番号「94」のマウンドを注視したい。