沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
オークス最後の直線、ルージュよりも
なぜミッキークイーンが弾けたのか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/05/25 11:40
430kgと小柄ながら、切れ味鋭い末脚でオークスを制したミッキークイーン。5戦3勝2着2回といまだに連を外していない。
王道の戦法で2着のルージュバック陣営は……。
2着に敗れたルージュバックの大竹正博調教師は、管理馬と戸崎を控えめな笑顔で迎えた。敗れたとはいえ、9着に大敗した桜花賞から巻き返し、「強いルージュバック」をとり戻すことができた。
「冬毛が抜けて、よくなっていました。力があることを示すことはできましたが、2着で満足してはいけないと思います。凱旋門賞に登録しているのに、申し訳ない思いです」
今後に関しては未定だという。
掲示板に載った上位馬の馬番を見ると、1着から10、14、17、12、13番。過去の傾向に表れていたとおり、内枠の馬には厳しい結果となった。レッツゴードンキが10着に敗れたことで、1枠1番の馬は69年連続で勝てなかったことになる。
サプライズの結果になるときは、超ハイペースか超スローペースなどの極端な流れになったときが多いのだが、今回は、ラップはスローで形(縦長の馬群)は淀みのない流れ……という展開になった。ミッキークイーンのように中団から鋭く伸びた馬もいれば、ルージュバックのように好位から抜け出しかけた馬もいて、2番手から6着になったローデッドのように先行して粘る馬もいた。また、9着のクイーンズリングや、16着のコンテッサトゥーレのように、強いが、距離適性に疑問符のついた馬はスタミナを失った。
特定の馬にとって有利だったり不利だったりすることがなく、どの馬にとっても同じように厳しい、クラシックと呼ぶにふさわしいレースになった。
ここで上位に来た馬の強さは、額面どおりに受けとっていいだろう。
ハイレベルな、素晴らしいレースを見せてもらった。