Number ExBACK NUMBER
「日本に天才がいるとしたら……」
ラモス瑠偉が認める本物のMFとは。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byShigeyoshi Ohi
posted2015/03/19 11:25
現在FC岐阜の監督を務めるラモス瑠偉。日本代表として国際Aマッチに32試合出場している。
「日本に天才がいるとしたら、僕は一人だけだと思う」
その上でラモスは、「天才」という言葉を拒絶した。才能によりかかって、闘う姿勢を見せない日本の選手たちと、彼らの才を褒めそやしてしまうメディアに対して叫んだ。
「日本で天才がいるとしたら、僕は一人だけだと思う、小野伸二。もし怪我してなかったら、化け物みたいな選手になっていたよ。輝いてる時間は短かったけど、前園(真聖)もすごかった。森島(寛晃)もハンパじゃなかったね。人を生かす能力、イヤな所に顔を出す能力は最高だった。いまの日本代表の選手たちも、持ってるものはすごい。でも、それがどうしたの? その持ってるもので何をしたの? アジアカップ、闘っていない。もうちょっと身体張ってやらなきゃ。何が何でも絶対に勝つ。やられたらやり返す。そういう気持ちでやってくれれば、世界でも上に行ける。もったいないなあ……見てると」
自分をはるかに上回る天賦の才を認めているからこそ、歯がゆく映る。W杯初出場の前夜、「10番」を背負った元ディフェンダーからの愛のエールは、日本代表選手たちの胸にどう響くだろうか。