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野球選手の「ピーク」は何歳なのか。
野手は20代、ブルペンは30代後半?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2015/03/10 10:30
4月で40歳を迎える上原浩治。2013年にキャリアハイともいえる成績を残し、2014年もそれを上回るセーブ数を記録している。ベテランが多いブルペン投手の中でも特筆すべき存在だ。
年齢なんか関係ない! そのポジションとは……。
一方で、「30代後半の方がいい」というポジションもある。
クローザーをはじめとした、ブルペンだ。
今年4月に40歳を迎えるレッドソックスの上原浩治は、「今年のチームの雰囲気はいいと思いますよ」と、昨季の最下位からのV字回復を予想させる話をしてくれたが、このチームのブルペンはベテラン揃いだ。
上原 39歳
田澤 28歳
ブレスロウ 34歳
オガンドー 31歳
ムヒカ 30歳
30代の選手がずらり並んでいる。そして残り2つのスポットを「6人の若手が争っている」(ファレル監督)状態だ。
田澤によると、ブルペンで待機する投手陣は、お菓子やひまわりの種などが入った「ブルペンバッグ」を用意して食べているのだが、
「ようやくブルペンに後輩が入ってきて、ブルペンバッグの用意をしなくてすむようになりました(笑)」
と話してくれた。レッドソックスの場合は、特にリリーフ陣にベテランを獲得することが多い。これもまた、経営陣の考え方の表れだろう。
上原「ブルペンはより『経験』が生きるポジション」
上原も、リリーフは20代よりも30代の方が実力を発揮しやすいという。
「ブルペンは難しい場面での登板が多いですから、20代ではなかなか実力通りのピッチングが出来ない場合もあります。その意味では、15年以上もプロで野球をやっていると、いろいろな修羅場をくぐってきてますから、より『経験』が生きるポジションだとは思います」
30代後半になってくると、シーズン後半にメンタル面、フィジカル面でベストの状態を保っていくのはなかなか難しくなるというが、経験がそれを十分に補ってくれる。
今年のメジャーリーグについては、こうした年齢的な要素についても考えていきたいと思っている。