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マッド・マックスと豪華投手陣。
~田中将大の1.5倍の超大型契約~ 

text by

芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2015/02/07 10:40

マッド・マックスと豪華投手陣。~田中将大の1.5倍の超大型契約~<Number Web> photograph by Getty Images

7年総額2億1000万ドルでナショナルズに入団したマックス・シャーザー。2013年には21勝を挙げサイ・ヤング賞に輝き、昨季も18勝で2年連続で最多勝のタイトルを獲得した。

5人の他にも、傘下には成長著しい若手が。

 一方、やはりナショナルズひと筋のジマーマンはどうだろうか。ストラスバーグと同様、彼も新人の年にトミー・ジョン手術を受けている。が、身体はこちらのほうが頑丈そうだ。過去3年間で45勝+496奪三振という数字はストラスバーグよりも地味だが、同時期の平均球速は152km前後で安定している。初球ストライクの率やフライアウトの率も、ストラスバーグよりジマーマンのほうが高い。当然といえば当然だが、0-1とか0-2とかいったストライク先行のカウントは、投手に断然有利だ。ジマーマンには、このカウントを作り出す投球術がある。

 こんな具合に分析をつづけていくと、今季終了前にジマーマンやフィスターとの契約を延長し、その直後、ストラスバーグを高値でトレードするという構図が浮かび上がってくる。シャーザーやロークにはまだ上がり目があるだろうし、傘下のマイナー球団に眼を転じても、A・J・コール(23歳)やルーカス・ギオリート(20歳)という若手の成長が著しい。こうなると、課題はブルペンの強化と監督マット・ウィリアムズの采配だ。そのあたりは、あらためて観察していこう。

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