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ゴルフ“一発屋”にまつわる方程式。
優勝以外の賞金でシードを獲得せよ。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byKyodo News

posted2015/01/28 10:50

ゴルフ“一発屋”にまつわる方程式。優勝以外の賞金でシードを獲得せよ。<Number Web> photograph by Kyodo News

竹谷佳孝は2006年のプロ転向後、日本プロゴルフ新人選手権などで優勝したが、ツアーでの初優勝までには7年以上の時間を要した。

「3000万円では生活は大きく変わらない」

 そもそも一発屋で終わってしまうかどうかは、ツアープロとして死活問題である。「確かに3000万円という額は大きい。でも3000万円では生活は大きく変わらない」と竹谷は言う。

 日本全国、時には海を渡って稼ぎの場を求めるツアープロは、必要経費が莫大だ。

 国内の移動、宿泊に関する経費や、帯同キャディらに支払う給料等を合わせると、年間で約1000万円を平気で超える。試合で予選を通過しなければ、当週の稼ぎはゼロ。決勝ラウンドに進んでも、下位で終えては赤字の大会もある。

 選手はトーナメントに出場するだけでもお金がかかり、男子は主催者に対し1試合につき1万800円(税込)を会場で支払う。クラブハウス内での食事代は基本的に自腹。最終日のラウンド後は、プロゴルファーも一般アマチュアと同じように、ロッカーキーをフロントに出し、精算をして帰路についている。

キャリアを全うするだけでも、決して簡単ではないのだ。

 レギュラーツアーへの参戦を目論む選手たちはさらに過酷だ。下部ツアー(チャレンジトーナメント)では上記に加え、事前練習日から、キャディフィを含めたプレー代金が1日につき1万5000円前後。毎年年末に行なわれる、翌年の出場権をかけた予選会は、エントリーするだけで20万円が必要。さらにこちらもコースで1日プレーするごとに、上述のプレー代金が加算される。

 仮に一次予選から順当に最終予選(四次)まで勝ち抜くと、計17ラウンド。移動や宿泊費を合わせて、予選会を通過するために100万円前後の必要経費がかかることもザラだ。

 一見華やかそうなツアープロの生活だが、お財布事情は必ずしもそうとはいえない。だから一発屋では終われない。細くとも長くキャリアを全うしているプレーヤーは、もはやそれだけで代えがたい価値である。

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