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『THEイナズマ戦隊』上中丈弥が語る、
“いい大人”が格闘技をはじめる意味。

posted2014/12/14 10:40

 
『THEイナズマ戦隊』上中丈弥が語る、“いい大人”が格闘技をはじめる意味。<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

上中丈弥(左)がヴォーカルをつとめる『THEイナズマ戦隊』は1997年に札幌にて結成された4人組ロックバンド。サービス精神豊かな“ロックンロール魂”を武器に、聴衆の「明日へのビタミン剤」となるライブパフォーマンスを披露し続けている。12/17にアルバム『17』をリリース。

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

PROFILE

photograph by

Norihiro Hashimoto

 ロックバンド『THEイナズマ戦隊』のヴォーカル・上中丈弥は、総合格闘技ジム『TRIBE TOKYO M.M.A』に入会した日のことをはっきりと覚えている。

「ジムがオープンした2012年の4月1日ですね。もともと長南(亮。同ジム代表)さんのことはPRIDEとかで見てましたし、新しいジムの初期メンバーなら馴染みやすいと思って。前の日に青森でラジオの収録があって、東京に戻って羽田空港からそのままジムに直行しました(笑)」

 学生時代は野球部だったが、個人競技、まして格闘技はまったくの初体験だった。33歳での一大決心には運動不足解消という目的もあったが、それ以上に求めていたのは精神的な刺激だったそうだ。

「闘争心みたいなもんが薄れてないか」と格闘技のジムへ。

「当時、バンドが結成15年目で。CD出してイベントやって、全国ツアーを年に1回やってというのがルーティンワークになってたんですよね。ありがたいことにバンドで飯は食えてるけど、闘争心みたいなもんが薄れてないかと。言い訳ばっかうまくなって、心のどこかで“このままでもいいか”と思う自分が嫌でしたね。まして俺らは、ファンに“頑張ろうぜ”っていうポジティブなメッセージを届けたいバンドなんで」

 新しい経験がしたい。新しい場所に飛び込む勇気がほしい。そんな思いで始めた格闘技。入会前の「若い人しかいないんじゃないか、プロ志望の経験者にボコボコにされるんじゃないか」という不安は、すぐになくなった。

「やってみたら、初心者なりに意外とできるんですよね。まさか自分がヒジ打ちを覚えるようになるなんて、思ってもみなかった(笑)。なんか久しぶりに、新しいことを身につける楽しさを味わいました。初めてギター握って、Fのコードをおさえた時みたいな感覚ですよ。30過ぎて、こんな新鮮な気持ちになれるんだなって」

【次ページ】 週3回のジム通いで体重は7kg減。逆に増えたのは?

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