スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
世界一カッコいい自転車ウェア「Pandani」を着て走る。その魅力と意義を問う!?
posted2014/11/05 10:30
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
Pandani
“スマート”奥山泰広氏と、その相棒の“ワイルド”高成浩氏。
秋はスポーツが“美味しい”季節! 特に自転車は少し肌寒いくらいがちょうどいい。では、何を着て走ればいいのか!? それはズバリ、「Pandani」のウェアだ。エッジィなデザイン、こだわりのディテール、そして“走り”への姿勢が、コアなサイクリストに人気急騰中なのだ。
奥山 あれっ? なんか、いい感じのピーコート着てるじゃないッスか!? どうしたんスか、買ったんですか?
高 そうそう。俺もこの秋冬はお洒落に、かつスポーティにキメようかと思って、久しぶりにファッションにお小遣いをつぎこんでみたよ。
奥山 ポケットのカタチや配置具合、ボタンの素材感など、ディテールが凝ってますね。独特の雰囲気がいいですね~。どこのピーコートなんだろう?
高 ふふん、さすがのお洒落番長も知らないだろ!? これはそんじょそこらのファッションブランドじゃないんだ。エッジィなデザインが特徴的なサイクルジャージ&パンツで人気の「Pandani(パンダーニ)」のアパレルウェアなんだ。
奥山 ああ、カメラマンとして自動車専門誌などで活躍していた阿部ちひろさんが立ち上げたブランドですね。高さんはクルマ業界人としても、自転車仲間としても阿部さんとは古くから親しいんでしょ?
高 いやいやいや、阿部さんは有名な専門誌で撮っていたし、自転車業界のカリスマ的存在。かたや俺なんか一般誌のクルマページ担当だし、一般的なサンデーサイクリストだから、親しいなんておこがましいよ。それに知り合いのブランドだから買ったわけじゃなく、機能とデザインにとことんこだわったアウターとして気に入ったから思い切って購入したんだよ。それにしても、奥山がパンダーニを知っていたとは驚きだな。
奥山 随分前に高さんから聞きましたよ。当初はコアなファンしか居ませんでしたが、ここ最近はお洒落なサイクリストたちもこぞって着るようになったせいか、そこそこのメディアでも目に付くようになってますよ。
「楽しくカッコよく走りたい」という気持ちから生まれたPandani。
高 阿部さんは「自分が着たいサイクルウェアがない」という不満から、いっそのこと好きなウェアを作っちゃえ!――という大胆な気持ちで、このパンダーニを立ち上げたんだ。だから、パンダーニのサイクルジャージ&パンツは、凝りに凝った仕上がりになっている。
奥山 そういう阿部さんのこだわりに共感し、他とはひと味もふた味も違うウェアを着たいというサイクリストが増えたことで、パンダーニの人気が急上昇しているんですね。
高 それと同時に、阿部さんの自転車に対する姿勢や考え方に、多くのサイクリストたちが賛同していることも、パンダーニ人気急騰の要因だろうな。
奥山 なるほど。
高 阿部さんが自転車に乗り始めた頃、某老舗サイクルショップのチームに憧れ、そのショップの常連になれば誘われると思ったらしいんだ。で、じゃんじゃん自転車やパーツを買い続けたのに、一向にお声が掛からなかったそうな……。結局、チームに入るにはそれ相応のレベルや手続きが必要だったらしく、入るのを諦めたとか。
奥山 ほほう?
高 そうした伝統(=格式)のあるチームや、逆にごく身内(=少人数)のチームではなく、もっとフランクでフレンドリーな自転車チームが大規模に活動してもいいんじゃないか?――という発想から、自分の作ったウェアを着た人はみんな仲間という「Beachカバニョーロ10%」というチームを発足。
奥山 おおっ! 自転車に興味がない僕でも、そういうスタンスは素晴らしいと思います。
高 だよね。たんに速さを競うだけじゃなく、“とことん楽しく”をモットーに同じサイクルウェアを着た仲間とイベントやレースに参加するというスタンスだな。日本全国にチーム員が増え、パンダーニを愛用している有名アスリートも少なくないとか。