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類を見ない狩猟本に潜む、食についての根源的な問い。
~『ぼくは猟師になった』を読む~ 

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馬立勝

馬立勝Masaru Madate

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posted2014/07/30 10:00

類を見ない狩猟本に潜む、食についての根源的な問い。~『ぼくは猟師になった』を読む~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『ぼくは猟師になった』千松信也著 新潮文庫 790円+税

 ユニークな狩猟本だ。銃や猟犬を使わないワナ猟というのが珍しい。著者も“まえがき”で書いている。猟師になろうと思ったころ「ワナ猟に関する本は皆無に等し」かった、と。獣を獲るにはワイヤーで自作するククリワナを、鳥には網を使う。中学生の頃から文明の利器の銃での猟はずるいと思い、動物との原始的レベルの駆け引きになるワナ猟に魅力を感じていた、という。ページに溢れるのは、自分で獲った鳥獣、魚、山菜を食べる京都の山里暮らしの喜びだ。子供のころ夢中になった遊びを続ける大人の趣きで、うらやましくなってくる。

 著者は運送会社に勤めながら「自分で食べる肉は自分で責任を持って調達する」猟師(プロではない)。カラー写真入りで平明に語られるワナ、網による捕獲法も興味深いが、その上を行くのが獲物の解体から精肉までの手順とそのレシピ。フレンチの凝ったジビエ(獲った野生鳥獣)料理ではない。台所での家庭料理だ。

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